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東京五輪選手村、概要&備品公開 アスリートファーストのおもてなし

 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会がこのほど、昨年12月に宿泊棟が完成した東京都中央区晴海の選手村の概要や、室内の備品を公表した。特徴の一つが廊下の幅で、基本的に車いす同士でもすれ違えるようにと、一般的なマンションより約30センチ広い約150センチにする工夫が施されている。選手村は東京ドーム約8・5個分となる約44ヘクタールの広さを誇り、五輪は7月14日、パラリンピックは8月18日にオープン。大会後は分譲・賃貸住宅となる。

 東京都の臨海部、晴海に位置する選手村は絶好のロケーションにある。銀座からは2キロほどしか離れておらず、羽田空港や品川などにもほど近い。三方が海に囲まれており、アスリートに与える開放感は格別だ。

 前回16年リオデジャネイロ大会の選手村は、市の中心から車で1時間30分ほど。前々回12年ロンドン大会も、市の中心部から約1時間の距離にあった。東京大会は都内の競技会場の中心に位置しており、利便性は高い。

 広さは約44ヘクタールで東京ドーム約8・5個分に相当する。21棟の宿泊棟は昨年12月に完成し、14~18階建て。戸数は3850で、各戸を数部屋に仕切り、五輪時は約1万8000ベッド、パラリンピック時は約8000ベッドが用意される。

 宿泊棟の特徴の一つが廊下だ。基本的に、幅は一般的なマンションの廊下と比べて約30センチ広い約150センチに設計されている。車いす同士がすれ違うことができるように配慮されており、入り口やスロープは段差がない。各方面のアクセスがスムーズにできるように、バリアフリーが高く意識されている。

 随所にちりばめられた、きめ細やかな心遣い。大会組織委員会の北島隆ビレッジゼネラルマネジャー(VGM)は「たくさんの車いすの方々が一度に生活する。通常なら、なかなかない状況。例えば廊下が広いことは、生活をする上でもストレスを感じさせない。そういう努力を選手村チームとしてこれまでしてきた」と説明する。

 室内に備え付けられる主な備品は、段ボール製のベッドや、クローゼット、ナイトテーブル、丸テーブル、イス。自分で洗ったものを干したり、バスタオルなどを乾かすための物干しも用意される。

 もっとも、シャンプーや石けんなどの消耗品は各自の持ち込みとなっており、忘れた場合は村内の雑貨店で購入できる。テレビやソファは自分で費用を負担すれば設置が可能。洗濯については組織委員会で洗濯機を用意しており、ランドリーの受付に持っていけば、翌日に返ってくる仕組みだ。

 選手村にはメインダイニングの建物のほか、複合施設には診療所やジム、和食などを提供するカジュアルダイニングがあり、冷えた飲み物も無料。村内のビレッジプラザには、選手が無料となるヘアサロンも設置される。

 ビレッジプラザには、大きなライセンスショップもある。各国の選手団が相当な数の土産を買っていくことが予想されるためで、例えばミライトワとソメイティといった東京大会のマスコットキャラクターのグッズを購入したい場合などに備えている。

 五輪の選手村は7月14日、パラリンピックは8月18日にオープンする。各国の選手団が足を踏み入れたときを想定し、ビレッジプラザは神社をイメージ。明かりは普通の蛍光灯ではなく、ぼんぼりのような『和』を意識した作りで出迎える。到着したときに『日本に来たな…』というイメージを持ってもらうことが狙いだ。

 組織委員会では期間中、選手、コーチ、スタッフら約3万人が選手村内で稼働することをイメージしている。受け入れへ着々と準備を進めており、参加予定の国・地域のうち、人数の多い約50の選手団は、すでにどの棟に入るかの割り当てが決まっている。残りは7月14日のオープン直前に決定する。

 北島VGMは「選手の方々は長い期間滞在する。限りなく日常生活に近い状態を求めている。居住棟の建物の中に関しては『和』を出すというよりも、普通のホテルとか、当たり前にベッドがあるような、普段の生活に限りなく近いこと。それが逆にサービスとしてはいい」と口にする。目指すは、人に優しく、アスリートファーストの“おもてなし”。東京大会の成功の鍵は、選手村も握っている。

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