羽生、43・87点差は「点数ほど大きくない」完成度への矜持「ジャンプ大会ではない」

フリー後に記者会見を終えてネーサン・チェンを先に降壇させる羽生結弦(左)=イタリア・トリノのパラベラ(撮影・堀内翔)
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 「フィギュアスケート・GPファイナル」(7日、トリノ)

 男子フリーが行われ、SPトップのネーサン・チェン(米国)が同2位の羽生結弦(ANA)を抑え、大会3連覇を達成した。合計点で43・87点差と数字の上では大差をつけられ2位となった羽生だが、試合後は「点数ほど(差は)大きくないなと思っている」と自信をみなぎらせていた。

 冷静に自分の演技を羽生は振り返った。「まあこんなもんだろうと思ってました。(4回転)ルッツ跳べてますし、ループも跳べてるから、4回転も後半3本入れてるので印象は強いけど、実際点数とれているのは少ない。まあこんなもんですね」。その上で、ライバルのチェンが見せた完ぺきな演技に、「多分こうやって挑戦しきるというのができたのは、ネーサンがああいう演技をしてくれたから」と感謝した。

 4種5本の4回転ジャンプだけをみればすべてを着氷させた。さらに、羽生としては今後さらに上積みができる伸びしろを感じているようだ。まず、前半にループ、ルッツ、サルコーの4回転を単独で跳び、後半に4回転トーループ2本からのものを含む連続ジャンプを配置した今回の構成は「滑り込んでいるわけではないので」と発展途上とした。最後の3回転半のシークエンスジャンプは単独1回転半となりほとんど得点を得られなかったが、「ジャストタイヤード」と疲れによるものと表現した。

 成功したルッツも「やっぱりセットポジションが長いですし、もっともっと(良いものが跳べる)」と導入のステップなどジャンプへの入り方、つなぎに改善点があると語った。「この構成で滑り込みができて、またつらい練習ができると思うと、ちょっとワクワクしてます」と心境を語り、「もちろんトランジションの部分は4回転5本にしてルッツ入れて、抜けている部分はある。滑り込んで全部(つなぎも含めて)跳べるようにしたい。それができてこそのフィギュアスケート。ジャンプ大会ではないので」とプログラム全体としての完成を目指すとした。

 「ルッツ(GOEで3・94点)、ループ(同4・05点)は加点ももらえている。あとは綺麗におりるだけ。思ったよりも差は感じていない」と今大会で自信を深めた様子。「SPでも、もっとループとか確率良くなってくれば入れる可能性もある。いろいろまた楽しみながら強くなっていきたい。全日本までは無理ですけど。全日本はたぶんまた調整して、いっぱいいっぱいだと思うので。点差はすごいですけど、自分もこういう風に点差をつけて勝ったこともありますけど、今回の点差は自分が思っているより遠くない」と重ねた。

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