貴景勝、九州場所出場へ 左胸不安なし「大丈夫」 場所前最後の稽古に師匠も合格点

 「大相撲九州場所」(10日初日、福岡国際センター)

 左大胸筋肉離れの重傷から再起を期す大関貴景勝(23)=千賀ノ浦=が7日、九州場所に出場することが決まった。師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)が仕上がりに合格点を与え、明言した。福岡・篠栗町の部屋で幕内隆の勝を相手に7勝3敗とし場所前の稽古を締めた。左のおっつけ、いなし、突きと患部の不安を完全払しょく。昨年初優勝し、大関として“凱旋”した九州で連覇へ準備は整った。

 貴景勝が場所前最後の稽古で満点デモだ。同部屋の幕内隆の勝を相手に10番取って7勝3敗。馬力のある相手を食い止め、頭を付けた押し合いの形から左をおっつけて攻めた。

 左から得意のいなしで相手を崩して出足一気。左の突きも力強く、相手をのけぞらした。患部の左胸の回復は上々で、不安のないことを印象付けた。

 師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)が「出ます。胸に違和感もない。非常にいい仕上がりで来た」と仕上がりに合格点を与えた。1年前、初優勝した九州に大関として“凱旋出場”が決まった。

 先場所は12勝を挙げて1場所で大関に返り咲き。一方で千秋楽、関脇御嶽海(出羽海)との優勝決定戦で左胸に重傷を負った。

 地道なリハビリで急回復。1日、二所ノ関一門の連合稽古で40日ぶりに関取衆との稽古を再開した。2日に左胸の違和感を訴えたが、初日に向け、しっかり間に合わせてきた。

 前日は追手風部屋に出稽古し13番。右膝負傷から再起した先場所前以上に関取衆と番数を重ねた。親方は「(稽古で)いろいろ考えて相撲を取っている。貴景勝の相撲は離して押しての相撲。自分の相撲を取りきれば大丈夫」と信頼した。

 稽古後、貴景勝は親方に「はい、大丈夫です」とキッパリ。九州連覇へいざ出陣する。

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