強化方針などを巡ってトップ選手と対立している全日本テコンドー協会は２８日、都内で臨時理事会を開催し、現理事の総辞職を決定した。また、外部有識者からなる検証委員会に一連の問題の検証や新理事の選任を依頼することも承認。これらを提案した金原昇会長は「未来のテコンドー協会にとっていい判断」と話し、会長解任の可能性についても「当然あり得る」と身をゆだねる考えを示した。

　元柔道世界女王の山口香氏ら４人の委員は、同日から幹部へのヒアリングを開始。座長を務める境田正樹弁護士は「１カ月以内に結論を出したい」と早期に新理事を決める方針を示し、現理事再任の可能性は残るものの「中立公正に提案したい。会長の再任ありきではない」と強調した。

　一方、体制一新を目指す岡本依子副会長は「望んでいたこと」と総辞職を歓迎しつつ、金原会長再任への警戒感をあらわにした。８日の理事会で自身らが総辞職を提案したにもかかわらず採決されなかった経緯もあり、「今回はおとなしくされていた。ここで油断したらあかん。なんかたくらんではるんかな…」といぶかしがった。

　金原会長は「外部の方に協会のガバナンスを検証していただくことはうれしい」としつつも「今回本質的な問題って何だと思いますか？逆に聞きたい」と報道陣に逆質問。見解の相違が埋まる様子がない。