東京五輪マラソン&競歩 札幌開催を容認…森会長「受けなきゃいかんでしょ」

 IOCのマラソン・競歩の札幌開催案発表を受け、見解を示す森喜朗会長
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 国際オリンピック委員会(IOC)のトマス・バッハ会長(65)は17日、猛暑が懸念される東京五輪のマラソン、競歩について、大会組織委員会と札幌開催で合意したとの認識を示した。組織委の森喜朗会長(82)はこの日、都内で取材に応じ、IOCの意向を容認する姿勢を示し、札幌移転は避けられない状況となった。30日から都内で行われる調整委員会で方向性が決まる見通し。ただ、問題は山積み。前代未聞の“ちゃぶ台返し”の波紋はさらに広がりそうだ。

 五輪本番まであと300日を切った中で前代未聞となるマラソン・競歩の開催都市変更は、もはやあらがえない流れとなった。ドーハで取材に応じたバッハ会長は「IOC理事会と大会組織委員会は札幌市に移すことに決めた」と、二者間では合意に達したとの認識を示し、都内で取材に応じた組織委の森会長も「バッハ会長がIOCの権限、会長の判断で札幌に移すと決めた。国際陸連も歓迎している。組織委が駄目とはいえない。いい悪いではなく、受けなきゃいかんでしょ」と容認する姿勢を示した。

 森会長によるとIOCは先週の連休前となる11日に最初に提案があったという。組織委側は東京都や日本陸連などへの調整が済んでない段階での発表に難色を示したが、IOC側は「早く決めてほしい」と強行に主張。結果として16日に発表され、国内関係者に衝撃が走った。ただ、IOC側は9、10月に酷暑の中で行われたドーハ世界選手権で棄権者が続出したことに危機感を募らせ、「東京で同じことが起これば、大変なこと」と説明。森会長も「暑さ対策の一環から、やむを得ない」と認識を示した。

 男子マラソンを実施する8月9日の今年の気象データを比較するとレース終盤の午前8時で東京は気温30・5度だったのに対し、札幌は22・7度だった。

 30日からの調整委員会で東京都などとも話し合い、方向性が決まる見通しだが、問題は山積みだ。

 IOC側はマラソンについては札幌ドーム発着のプランを提案しており、毎年夏に開催されている北海道マラソンのコースがベースとなる見通しだが、夏休みの観光シーズンの中で選手、関係者の宿泊や移動手段の確保ができるか。ボランティア、警備面の問題もあり、膨大な追加費用が掛かると見られる。森会長は「我々には守れ守れと言われている予算の枠があり四苦八苦している。(追加費用が)とてつもない額になって、我々が持てと言われたら切ないよね。IOCが持ってくださいと、そういうことを言わないといけない」と、IOCに請求する可能性を示した。

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