元幕内・千代の国が幕下初V「すごくうれしい」 元大関・照ノ富士を破る
「大相撲秋場所・13日目」(20日、両国国技館)
元幕内で西幕下46枚目の千代の国(29)=九重=が元大関で東幕下27枚目の照ノ富士(27)=伊勢ケ浜=との全勝対決を押し出しで制し、7戦7勝で幕下初優勝を果たした。
17年夏場所、幕内で押し出されて敗れて以来の対戦。2年前同様、激しい相撲となった。まわしを狙う相手を必死に突き放し、距離を取って戦う。突き押しの応酬から隙を見て飛び込んで一気に巨体を土俵外に運んだ。
「落ち着いていけた。組んだら相手が上だから自分の相撲を取りきるだけ。こういう結果につながったのはすごくうれしい」と、喜びをかみしめた。
館内は幕下とは思えぬ程、大声援が飛び、熱気もムンムン。「うれしかった。幕下は優勝したことがなかったからうれしい」と、笑みを浮かべた。
初場所で左膝靱帯損傷の大けがを負い途中休場。同場所後に手術し、3場所全休し、戻って来た。「正直、不安の方が多かった」と、見切り発車。日を追うごとに、体も気持ちも取り戻していった。
「勝っても喜ばず相撲のことだけ考えた。初日に照ノ富士と当たったら分からなかった。最後の日で良かった。思い切り当たれるから」とうなずいた。
来場所は十両復帰が狙える番付まで回復することは濃厚。「まだ幕下で頑張る。まず関取(復帰)です。一歩ずつ」。復活への手応えをつかむ優勝となった。