柔道・芳田司、打倒クリスタ対策は“ひみつ”「私だったら見ますもん」

 柔道女子のコマツ所属選手による世界選手権の報告会が9日、都内の同社本社で行われた。57キロ級で銀メダル獲得の芳田司(23)は決勝で出口クリスタ(23)=カナダ=に敗れたが、「調子は悪くなかったが、勝負の難しさをすごく感じた大会だった。今後また(出口と)戦うと思うが、次は絶対に私が一本を取って勝つという気持ちで向かいたい」と東京五輪に向けて雪辱を期した。

 既に次の戦いは始まっているようだ。報道陣から今後の“出口対策”を聞かれると、「それを書かれたら(相手が)『あ、そうなんだ~』ってなりませんか。私だったら見ますもん、(記事を)拾い集めて(笑)」と警戒し、詳しい戦術面については当然、口をつぐんだ。

 新世界女王となった長野県出身の出口とは同学年で、高校時代から何度も対戦してきた長年のライバルだ。芳田は「手の内は知っていて、やるのは嫌。何回も同じ相手とやると絶対に(自分が)嫌なことをしてくる」と、対戦する度に手の内の探り合いになる因縁マッチのやりづらさを吐露した。

 出口が一昨年にカナダ国籍を取得したことで、東京五輪に向けて金メダルを争う間柄にもなった。カナダ代表となって飛躍を遂げたライバルについて、芳田は「なんか自由にやってるなって。その伸び伸びが柔道にも出ていて、すごくきれいに投げる」と評し、「出口選手も国籍を変えて色んな思いがあると思うが、それでもしっかり私の試合をできるようにしたい」と闘志を燃やした。

 出口だけでなく、主要なライバル選手とはこれまで何度も試合や乱取りを重ねているものの、五輪という一発勝負に向けては互いに“腹に一物”を秘めていても不思議ではない。

 「ずっと隠し持っている必殺みたいな技を持って、(相手が)見たことがないような技を掛けるのもあり。(それがある)かもしれないですよ」。不敵な笑みを浮かべながら、報道陣の“背後”にいる相手をけん制していた。

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