飛び込みの三上、東京五輪内定「今は実感はそんなにない。ふわふわしている感じ」

 「水泳・世界選手権」(18日、光州)

 女子3メートル板飛び込みで三上紗也可(18)=米子DC=が東京五輪代表に事実上内定した。準決勝で307・95点をマークし、7位で上位12人による19日の決勝に進んだ。棄権などのアクシデントがなければ通算4人目の代表となる。17日に現地入りした競泳代表は大橋悠依(23)=イトマン東進=らが本番プールで調整。白血病で闘病中の池江璃花子(19)=ルネサンス=への思いを胸に21日からの競技を戦う。アーティスティックスイミング(AS)のデュエット・フリールーティン(FR)決勝で乾友紀子(井村ク)吉田萌(ザ・クラブピア88)組は93・0000点で4位だった。

 最後の5本目をきっちりと決めた三上は、祈るように電光掲示板を見つめた。得点を確認すると小さく拍手。チャンスをものにし、五輪代表の座をつかみ取った。「今は実感はそんなにない。ふわふわしている感じ」と首をかしげるが、安定感ある演技で堂々の7位通過。決勝へ「目標は8位入賞だけど、自分の演技をしたらもうちょっと上にいけるかな」と視線を上げた。

 小学2年の時、学校で配られた体験会のチラシを見て飛び込みに興味を持った。今春高校を卒業して以降は就職も進学もせず、鳥取県協会などからの支援で飛び込み漬けの生活を送る。

 何度も選手生命を危ぶまれるような大ケガに見舞われた。二人三脚で歩む安田千万樹コーチ(48)も「もうダメだと思った」というのが、去年の今頃、板に頭を打った時だ。脳振とう。一時的な記憶障害もあった。家族に「これ以上指導は無理です」と伝えたが、逆に「お願いします」と頭を下げられた。

 「期待に応えないといけないし、本人に犠牲を払ってこさせた。裏切るわけにはいかない」と安田コーチ。くじけることなくはい上がり続けたまな弟子の内定に「ホッとした」と胸をなで下ろした。

 オシャレをし、遊ぶ同年代の友人を見て、うらやましく思ったこともある。しかし「自分を信じて、絶対五輪でメダル取るんだって気持ちでやってきた」と三上。1枚のチラシと、幼き日の胸のトキメキが導いてくれた夢舞台。「飛び込みは自分にとって運命の競技だったのかな」と、その出会いに感謝した。

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