川井梨、東京五輪グイッ 涙の伊調超え!世界選手権代表入り
「レスリング・世界選手権代表選考プレーオフ」(6日、和光市総合体育館)
男女計6階級が行われ、女子57キロ級は2016年リオデジャネイロ五輪63キロ級女王の川井梨紗子(24)=ジャパンビバレッジ=が五輪4連覇の伊調馨(35)=ALSOK=に勝って代表入りを決めた。9月の世界選手権で表彰台に立つと、日本協会の選考基準を満たして五輪切符を得る。プレーオフは昨年12月の全日本選手権と6月の全日本選抜選手権の優勝者が異なる階級で実施。女子50キロ級の入江ゆき(自衛隊)、男子のフリースタイル65キロ級の乙黒拓斗(山梨学院大)らも代表入りした。
冷静に、川井梨は最大の壁を乗り越えた。リードは1ポイント。同点なら規定上自分が勝つ。残り数秒でタックルされると、逆らわず場外へ押し出された。1点は与えたが、大技による大量ポイントを避けて試合終了。先に世界選手権代表を決めていた妹の友香子と歓喜の涙に浸った。
試合直後は「あまり覚えていない」と語るほどの熱戦だったが、伊調の圧力にのみ込まれることなく戦い抜いた。昨年12月の全日本選手権決勝では終了間際に逆転負けを喫し、その時に悟った「一番大事なのは気持ち」を大一番で体現した。
東京五輪には友香子との“姉妹で金メダル”という大きな目標を掲げている。限られた五輪階級から62キロ級を妹に譲り、57キロ級に挑むことにした。
しかし昨年12月、伊調に敗れるとレスリングを辞めようとさえ思った。泣いてはいたが、それは友香子の涙を見たからで、どこかで「もういいや」と冷めてしまった。それでも年が明け、仲間や家族と練習をし、所属先で応援してくれる人を見て「勝って喜んでくれる人がこんなにいるなら頑張ろう」と、心に火をつけた。
幼い頃は伊調姉妹が世界で活躍していた。「軽く代表になっている」ように見えていたが、いざ自分たちが目指すと「こんな大変なんだ」と痛感した。リオ五輪前は勝てなかった伊調を破り、姉妹での東京五輪切符は目前。夢舞台まで「ここまできたからには本当の一番いい結果を求めて頑張りたい」と全力で突き進む。
