カド番の貴景勝に休場勧告 本人は出場志願も親方が待った「万全じゃない」

朝稽古後、師匠の千賀ノ浦親方(右)と話す貴景勝
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 「大相撲名古屋場所」(7日初日、ドルフィンズアリーナ)

 右膝負傷で先場所を途中休場し、名古屋場所がカド番となる大関貴景勝(22)=千賀ノ浦=が4日、師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)に出場を直訴したが、師匠は休場を勧告した。朝稽古後、名古屋市内の宿舎で約4時間以上の話し合いは平行線で結論の出ないまま中断となった。

 午後9時50分、朝稽古後に貴景勝が親方に「出ます」と伝えた。親方は首を縦に振らず、数分、稽古場で立ち話の後、宿舎に2人で入った。カーテンは閉められ、延々とマンツーマン会談は続行。午後2時15分、イベント出演のため、大関は宿舎を出たが、無言で迎えの車に乗り込んだ。

 親方によれば、貴景勝は「どうしても出たい」、「出させて下さい」、「お願いします」と必死の訴えだった、という。親方は「稽古が万全じゃない。休場しろ。師匠として出させるわけにはいかない」と説得したが、本人は意思を変えることはなかった。

 先送りとなったが時間はない。取組編成会議が5日の朝に行われるため、それまでに出場可否を決定する必要がある。貴景勝がイベント出演、治療を終えた後、再び宿舎に戻り、師弟で話し合いの続きを行い、この日の夜には結論を出す予定だ。

 貴景勝は名古屋入り後、基礎運動を慎重に行い、2日から若い衆を相手に相撲を取る稽古を再開させた。「出るつもりで名古屋に入った。違和感があったら名古屋に来ていない。痛みはない」と回復を訴えたが関取衆相手に実戦稽古を詰めるまでには至らなかった。

 親方は「なんせ稽古していない。ぶっつけでいって取れるほど相撲は甘くない。全休ですよ。若い力士とぽろっとやっただけで相撲勘は戻らない」とキッパリ。先場所も再出場し1日で再休場するなど、師弟で見通しの甘さを問われただけに同じ過ちを繰り返すわけにはいかない。「大関なんだから、また途中休場したらファンががっかりする」と、親方も安易に出場を許可する考えはない。

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