田中史朗「僕の中では最後」3度目のW杯に向け語る 開幕まであと100日
ラグビーW杯日本大会開幕まで、12日であと100日となった。いよいよカウントダウンとなる祭典を控えて、日本代表SH田中史朗(34)=キヤノン=が強化合宿中の宮崎市内でインタビューに応じた。出場すれば3回目となるW杯を集大成と位置づけるベテランは、南アフリカを破った前回大会よりチームの成長を確信。世界ランキング11位の日本が目標に掲げる1次リーグ突破、8強進出へ、同リーグ最終戦で対戦する7位のスコットランド撃破に自信を口にした。
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-100日前を迎えて思うところは。
「興奮していますね。前回の大会はすごくいい状態でできた。今回はまだチームが100%できあがっていませんが、しっかり詰めてやっていけば前回を超えるチームになれる。100日前、本当に楽しみです」
-この4年間、代表のレベルが上がったという認識は。
「僕は前回、『プレー中にずっと文句を言っている』と言われていましたけど、今はそういう部分がまったくない。リーダー陣が発言して、常に質の高いラグビーができている。前回とはチームとしての意識が違います」
-今年に入ってチームを一喝したことは?
「ゼロです。みんなの意識が高いので。もし意識が低い人がいれば周りが声を出し『こうしよう』と言う。昔のダラダラした日本代表ではない。そこは本当に成長したところだと思います」
-1次リーグ突破へ、格上のアイルランド、スコットランドのどちらかに勝たなければならない。過去日本が勝ったことのない相手だが、自信は。
「ここで『ない』って言ったら終わりですし(笑)。僕の中ではスコットランドが狙い目。前回のW杯では全然ダメでしたけど、その後の(16年6月の親善)試合ではすごくいいプレーができた。ホームアドバンテージもありますし、暑さに弱い彼らに対して、自分たちがフィットネス、スキル、戦術でアタックできれば可能性は十分あると思います」
-強豪国との差は。
「ミス、ペナルティーじゃないですか?オールブラックス相手でもトライはとれていますし、サンウルブズでも相手を止められた部分もあった。でもそこで1つミスをすると付け入られる」
-簡単ではない。
「でも意識はすればできる。去年のイングランド戦でも、前半の初めは簡単にトライをとられましたけど、その後はトライを許していませんし、南アフリカ戦でもしっかり止めていた。それを80分続けることが大事」
-BKでは最年長。トンプソンが入るまではチーム最年長だった。過去との変化は。
「少し不安が出たくらいですね。自分の能力への不安ですね。足も遅いですし、フィットネスもない。経験だけでラグビーはできないので必死に高めているところです」
-W杯に向けて現在の強化ポイントは。
「すべてです。(今合宿前の)休みの時期にフィットネスを上げてきたので今は走れている。あとはスピードと、パス、キックの精度を上げていきたい」
-新しい選手も入ってきた。W杯の経験を伝えることは。
「W杯と親善試合は違うというのを経験をもとに伝えている」
-3度目のW杯だ。
「一生できるわけではないですし、能力もそんなに上がってくる感じでもないので、僕の中では最後になるのかなと感じています。今は楽しみの方が強くなってきましたし、大きい。自分の中での人生最後のW杯をどれだけ楽しんで、結果を残せるかっていうところが重要になってくる」