丹羽孝希 あと一歩で惜敗「メダル意識してしまった」40年ぶり歴史の重圧

 「卓球・世界選手権」(26日、ブダペスト)

 男子シングルス準々決勝が行われ、日本勢唯一の8強入りとなった世界ランク8位の丹羽孝希(24)=スヴェンソン=は初対戦となった同9位の梁靖崑(22)=中国=に3-4で敗れ、男子シングルス日本勢40年ぶりのメダル獲得はならなかった。

 勝てば1979年平壌大会で優勝した小野誠治以来となる男子シングルスでのメダルが確定する一戦だったが、あと一歩で歴史を変えることができなかった。丹羽は1-3の劣勢からフルゲームに持ち込んだが、最終ゲームはギアを上げてきた相手に押され、つかんでいた流れを手放してしまった。

 最後の最後で日本卓球界の歴史が重くのしかかった。「非常に悔しいです。最終ゲームはメダルをすごく意識してしまって、日本が40年も獲れていないので、そのプレッシャーがすごくて。1-3で追い込まれたときみたいに、もっと無心でプレーできれば勝てたと思う」と唇をかんだ。

 近年の大会では前回の丹羽も含め、水谷隼、松平健太、張本智和らがメダルへの挑戦権を得てきたが、いずれもあと1勝ができなかった。試合前には「ベスト8に何人も進んでいて、そこで中国選手に阻まれてきた。(今回は)中国選手ですけど1、2番手ではないので必ず獲りたい。チャンスが来たかなと思っています」と話していた丹羽。準決勝での対戦が濃厚だった世界ランク1位の樊振東(中国)が敗退し、同9位の梁靖崑(中国)が相手だっただけに、「勝てない試合ではなかった」と悔しさが増幅した。

 「主役の場は望んでいない。本当は影でおとなしくやりたいタイプ」という寡黙な職人かたぎの24歳だが、この日はメインコートで期待を一身に背負った。「今日はみんなの思いを背負ってプレーした。楽しかったし、でも緊張しました」。前回と同じ8強で散ったが、得意のトリッキーなプレーで欧州のファンを沸かせ「コーキ」コールも自然発生させた。

 今大会のシングルスで日本勢最高の成績を収め、東京五輪に向けても弾みをつけた。「今後のツアーで上位に進出し、シングルス代表2枠(以内)を勝ち取りたいです」と来年の大舞台に向けて気持ちを新たにした。

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