張本智和が右手負傷も試合続行、棄権を拒み「表彰台に上がりたかった」
「卓球・アジア杯・最終日」(7日、横浜文化体育館)
男子3-4位決定戦が行われ、世界ランク4位の張本智和(木下グループ)と同8位の丹羽孝希(スヴェンソン)が対決。丹羽が4-2で勝利し、初の表彰台となる3位に入った。
試合中に張本をアクシデントが起こった。1-3となった第4ゲーム直後に、張本が主審に歩み寄り右手の異常を訴えた。その後、試合が中断されトレーナーの治療を約5分受けた後、第5ゲームを開始。張本がこのゲームはとったが、第6ゲームで敗れて試合終了となった。
試合後、張本は、先月のワールドツアーのカタール・オープン翌日に右手薬指に痛みを発症したことを明かした。「(前日の)準々決勝までは大丈夫だったが、準決勝が終わった後に痛みがひどくなった」と説明。世界選手権(21~28日、ブダペスト)を控えているため、治療後は男子の倉嶋監督から「痛いなら棄権しろと言われた」と話したが、「世界選手権が一番大事なのはわかっているけど、目の前のアジア杯で表彰台に上がりたいという思いが強かった。丹羽さんにリードされているところで棄権したくなく、せめて追いついてからと思った」と試合を続行した。また「五輪でもこういうケースはあるかもしれない」と、先を見据えた決断でもあった。
張本は「生活に問題はなかった」と話しており、今大会中に症状が悪化したもよう。倉嶋監督もこれまで病院に行くほどの症状ではなかったとし、現状を「トレーナーの話では腱鞘炎の手前で炎症をとるのが優先」とした。
張本は8日に病院で診察を受ける予定。世界選手権では3種目にエントリーしているが、同監督は診察結果を受けた上で種目数を減らす可能性について「考えないといけない。症状によっては(可能性は)ゼロではない」と語った。また、同監督は「普段はそういうことを言わない選手。初めて試合中に自分で言ってきた。相当痛かっただろうなと思う」と話していた。





