大関確実の貴景勝、場所前から自ら重圧「チャンスは何度も巡ってこない」気持ちも成長

大阪場所を振り返る貴景勝=東大阪市内のちゃんこ新(撮影・石湯恒介)
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 大相撲春場所(24日千秋楽、エディオンアリーナ大阪)で新大関昇進を決めた関脇貴景勝(22)=千賀ノ浦=が25日、東大阪市内の「ちゃんこ新」で一夜明け会見を行った。27日、臨時理事会と夏場所(5月12日初日、両国国技館)の番付編成会議を経て、正式な新大関の誕生となる。

 長く険しい15日間を戦い抜き、まだ疲労困ぱい。前夜はTV出演など終え、夜12時には就寝した。「疲労を抜きたい気持ち。本当にほっとした」と、限界まで出し尽くした。

 勝負の終盤戦、横綱白鵬、大関豪栄道と連敗。14日目には平幕逸ノ城相手に5敗目を喫し、後がなくなった。「後半から自分と向き合う時間が長かった。いろんなことを考えた。いい経験をさせてもらった。体が精神が持ってくれた」と、ギリギリの状態だった。

 千秋楽、かど番脱出を狙う大関栃ノ心との“大関入れ替え戦”には開き直れた。「自分の勝っているものは何か。経験も体の大きさもない。自分の相撲を貫こうと思った。負けたら負け。力がないだけ」。

 最後、押し出し勝った瞬間は「全身の力が抜けて重くなる感じ。優勝(した時は)は頭が真っ白になったけど、今回は全身の力がだるくなった」と、振り返った。

 大関とりの今場所、10勝が昇進ノルマとされた。前半戦で2敗を喫し「投げやりになれた」と言う。「横綱、大関に勝たないと大関になれない。何としても取り返す」と、強い気持ちが燃えた。

 兵庫県芦屋出身で大阪は“準ご当所”。多くの声援が力になった。一方で負けて花道を引き揚げる際、自身の応援タオルを持った子供らががっかりしているのに心苦しくなった。「結果を出すしかない」と腹をくくり、地元で昇進を決めた。

 先場所後から「大関になる」と公言し、重圧を自らにかけて乗り越えた。「チャンスは何度も巡ってこない。何としてもものにしたい」と気持ちの面でも強く成長した。

 突き押し相撲一本でのし上がった。「力士になったら次の番付を目指すのは当たり前。そういう気持ちでいかないと大関は張れない。大関は一つ上を目指してやっていく。もっとこの相撲を、まわしを取られないよう、徹底してやっていく」と、横綱を目指すことを誓った。

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