40歳十両安美錦が7勝目 勝ち越しに王手 イチロー引退には「さみしい」

 「大相撲春場所・13日目」(22日、エディオンアリーナ大阪)

 元関脇で西十両11枚目の安美錦(40)=伊勢ケ浜=が新入幕の霧馬山(陸奥)を執念の出し投げで下し7勝目(6敗)を挙げ、4場所ぶり勝ち越しに王手をかけた。

 まわしを取らせると、うまい相手を突き放していった。右上手を取って頭を付け、相手の差し手を徹底的に殺した。動き回って追い詰めると、最後の力を振り絞ってこん身の出し投げ。勢い余って自らも土俵下に落ち、阿武松審判部長(元関脇益荒雄)に激突した。

 「右が取れたのであとは締めて。我慢して押して行きながら投げを打てたのが良かった。力が残っていなくてそのまま落ちた。本当に力を使い切って動けなかった」と、息を荒くして振り返った。

 アキレス腱、膝、太ももなど両足は故障だらけ。満身創痍(そうい)の体で5場所連続十両生活が続く。先場所は2日目から11連敗するなど、追い込まれたが14日目から連勝。今場所も初日から4連敗したが、そこから猛逆襲した。

 前夜、メジャーリーグのイチローが引退。「さみしい。いるのが当然のよう」と喪失感はあった。45歳での引き際、40歳の自身にとっても人ごとではない。「打てなくなったらと。俺もそういうつもり。勝てなくなったらやめようと思っている。(会見は)イチローらしい言葉の選び方。最後までりんとしていた。私も最期まで誠実に取り組みたい。こうやって相撲を取れていることに感謝して一生懸命やりたい」と、誓い。

 最期に「俺は来場所までの契約だったっけ?」とおどけるのが安美錦らしかった。

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