小林陵侑「五輪よりでかい」日本男子初の総合V!欧州勢の牙城ついに陥落

 「ノルディックスキー・W杯」(10日、オスロ)

 小林陵侑(22)=土屋ホーム=が5位に入り、5試合を残して日本男子初となる個人総合優勝を確定させた。1979~80年シーズンに始まったW杯ジャンプ男子は、これまで欧州勢が総合王者を独占してきた。日本のエースが発足40シーズン目で初の快挙を達成。今季は伝統のジャンプ週間で史上3人目の4戦全勝を達成。男子歴代最多に並ぶ6連勝を記録するなど個人総合争いで独走し、船木和喜(フィット)葛西紀明(土屋ホーム)ら歴代のエースが届かなかったタイトルをつかんだ。

 総合優勝が決まる条件は、順位によるW杯得点で2位のストッフ(ポーランド)に25点以上の差をつけること。他選手の成績次第で状況が変わる中でも小林陵は「全然意識していなかった」と自分のジャンプだけに集中し、歴史に残る快挙を引き寄せた。

 気まぐれな風が吹くジャンプ台。9日の団体は138・5メートルの大飛躍を見せたが、この日の試技は93・5メートルにとどまった。不利な条件に左右されて個人メダルを逃した世界選手権も記憶に新しいが、1回目から「ちょっと攻めた」と迷いなく飛び出してK点(120メートル)を越えて127メートルまで伸びた。

 そして勝負の2回目。2人前に飛んだストッフが悪条件に当たって順位を下げても気にすることはない。「今の調子なら大丈夫」との自信を揺るがさず、1回目とほぼ同じ126メートルまで飛んだ。

 ノルディックスキーの聖地と呼ばれるオスロで、過去に日本の名ジャンパーたちに立ちはだかった欧州勢の牙城を崩した。本場を転戦してつかんだタイトルの価値を「五輪よりでかいかもしれない」と位置付ける。

 伝統のジャンプ週間で史上3人目の全勝優勝を果たすなど、誰もが驚く大躍進のシーズンもあとわずか。「総合は最後の最後に表彰される。それまではまだ終わっていない」と、残り5戦で新王者の真価を証明する。

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