【五輪予想図】東京五輪は大人色!?東京を彩る藍、紅、桜、藤、松葉

 リオ五輪の感動の場面は、会場の緑や青の鮮やかな色とともに記憶に刻まれている。ロンドン五輪の景色は、ピンクあるいは水色を背景にした写真や映像とともに思い出される。各五輪にはそれぞれ基本カラーがある。2020年東京五輪の色も既に決まっている。

 東京2020組織委員会は昨年8月、競技会場や街中の装飾、ボランティアら大会スタッフのユニホームなどに使う「コアグラフィックス」というデザインのベースを発表。基本カラーを藍、紅(くれない)、桜、藤、松葉の5色に決めた。

 いずれも平安時代からの日本の伝統色。藍は大会エンブレムにも使用され、世界でも日本を表す色として広く知られているという。紅は古くから祝事で使われ、桜と藤はともに日本を象徴する花の色。松葉は藤と同様に枕草子にも登場し、縁起が良いとされる松の樹から採用された。

 今春以降、この5色を採り入れた装飾が登場したり公式グッズなどが販売される。これらの色が2020年の東京五輪を印象付け、競技映像や開催都市の景色とともに多くの人々の記憶に残っていくことになる。

 「和」を強く感じる5色はやや地味にも映るが、専門家の見方はどうか。日本色彩心理学研究所(神戸市)の主任研究員、高橋水木(みずき)さんは「裏地の美、わびさびの文化、四季など日本らしさをよく意識して選んだという印象です。自然界にもともとある色ばかりで、色の深さも感じます。原色を好んで使うブラジルやイタリアが水平的だとしたら、日本は垂直的、深みのある色を大事にしてきた歴史がありますから」と日本らしさを評価した。

 5色の中でも、エンブレムなどで象徴的に使用される藍は、夜の闇を連想させる内向的な色だという。深い暗さは、冷静さを引き出す力を持つ。色が人々に与える心理を考えると、情熱的というよりはクールな五輪になりそうだ。高橋さんは「子どもっぽさはないですね。大人のオリンピックという感じですかね」とイメージした。

 基本カラーについて組織委員会は「主役はアスリート。あえて派手にしていない」と説明する。カラーを前面に押し出さないあたりも日本の美意識かもしれない。

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