明治復活!22季ぶり13度目のV 紫紺のジャージーが涙に濡れた

 「ラグビー・大学選手権・決勝、明大22-17天理大」(12日、秩父宮ラグビー場)

 完全復活だ。明大(関東対抗戦3位、4位枠)が天理大(関西1位)に22-17で勝ち、1996年度大会以来、22大会ぶり13度目の優勝を果たした。開始3分で先制されたが、前半9分にWTB山崎洋之(3年)が同点トライ。同22分にWTB高橋汰地(4年)のトライで勝ち越した。後半も加点し、最後は天理大の猛追をしのいだ。7大会ぶりに決勝進出した天理大は84年度大会で3連覇した同大以来、関西勢2校目の日本一にあと一歩届かなかった。

 泣いた。スタンドからは、勝利を祝福するメイジ、メイジの大合唱。選手、そしてグラウンドに降りてきたベンチ外メンバーが感極まる。涙で22年ぶりの栄冠を分かち合った。SH福田健太主将(4年)は「80分ファイトした。メイジのプライドを持って戦えた」と胸を張った。勝因は緻密な分析力、そして実践する平常心だった。

 同点の前半22分。右22メートルライン付近でのラインアウトから、福田が背後にいたWTB高橋にパスするサインプレーを敢行。相手ディフェンスラインの中央を割って勝ち越しトライを決めた。

 「あそこが空くという情報があった」と高橋。準決勝の映像を元に分析班が考えた作戦だった。「何回もやってベストな動きを確認した。試合で出せてよかった」と笑った。

 自軍ラインアウトはすべて成功。相手ラインアウトも約半数を奪取した。練習台となったBチームが天理大のラインアウトをコピーして、練習を重ねた成果だった。ロック箸本龍雅(2年)は「天理大よりBチームの方がクオリティーが高く、やりやすかった。支えてくれた人に感謝です」と部員全員の勝利を強調した。

 スタートラインは昨季の帝京大との決勝だった。13点リードしながら1点差で逆転負けを喫した。田中澄憲監督(43)は専門家の助言を受けてメンタル強化に着手した。「ゴミを拾うとか、スリッパを並べるとか、テーマを決めて毎日やらせました」。日常から当たり前のことを当たり前にやる。試合でも平常心を保つことにつながった。「選手は、ピンチの時に全然動揺しなくなった、と」。成果はあった。

 選手権直前の昨年12月、4年生22人が寮近くの中華料理店に集結。全員が本音をぶつけ合った。「泣いた人もいた。あれで結束できた」(高橋)。現在の4年生が生まれた年、田中監督が4年生だった96年から22年。紫紺のジャージーが涙に濡れた。

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