【一問一答】吉田沙保里「(次の夢)来年の東京五輪盛り上げていけたらいい」

 レスリング女子で五輪3連覇を達成し、現役引退を表明していた吉田沙保里(36)が10日、都内で引退会見を行った。吉田との一問一答は次の通り。

 -今の気持ちは。

 「3歳から始めたレスリングを33年もやってこられたことを本当にうれしく思うし、たくさんの方に応援していただいて、この場を設けさせてもらって感謝の気持ちを伝えることができたのでホッとしている」

 -解説者として見た全日本選手権は伊調馨が優勝し東京五輪への思いを口にした。心は動かなかったか。

 「自分は自分、人は人と教えられてきたので、自分自身はやり尽くした、やり切ったという思いの方が強かったので心は動かなかった。伊調馨選手は本当に素晴らしい選手でここまでずっと仲間として頑張ってきたので、東京五輪を目指すと馨の口から聞いたときに、本当にすごいなと率直に思いました」

 -父栄勝さんへの報告は。

 「引退会見をするとは父は思っていなかったので、びっくりしているとは思う。でもこういう形で応援してくださった国民の皆さん、ファンの皆さんに感謝の気持ちを伝えるのは大切なことだと思うので、この場を設けさせていただいた。『よく頑張った』と天国の方から言っててくれていると思う」

 -次の夢は。

 「レスリング以外のこともやっていきたいという思いも強い。来年の東京オリンピックがありますので、自国開催ということで盛り上げていけたらいいなという思いも強い」

 -レスリングとは。

 「人生の1つ。レスリングがなかったらここまで私もなれなかったですし、たくさんの方に出会うこともなかったですし、レスリングを通していろんなことを学べた。本当にレスリングのおかげ」

 -レスリング以外に影響を受けた人は。

 「私が五輪に出たいと思ったきっかけの選手が、柔道のヤワラちゃんと呼ばれた谷亮子選手でした。谷亮子選手に憧れて、私も中1ぐらいから五輪に出て金メダルをとりたいという夢を持って。アテネ五輪で初めてお会いすることができて、金メダルを手にとって見せてもらったときにうれしくて、夢がかなったという思いだった。初日に金メダルをとられたので、私が選手村の部屋におしかけて、金メダルを見せてもらって。(一緒に)写真も撮ってもらって、私は『ずっと谷亮子選手に憧れて…』と声をかけたら、知ってくれていて、『聞いたことがあるよ、頑張ってね』と。それがパワーに変わって背中を押してもらった気がします」

 -栄元監督とはどのような話をしたか。

 「引退すると監督に言ったときには『そうか』『ご苦労さん』という言葉をかけていただいて、その言葉を言ったと同時に『俺が泣きそうだよ』と。涙もろいところもあるので。私はここまで育てていただいて感謝の気持ちでいっぱいです」

 -引退ツイートに載せた17個のメダルのうち、一番印象に残っているものは。

 「どれも印象に残っているが、最後のリオの五輪。一番近いというのもあるが、負けた人の気持ちがよく分かった大会になった。今まで一番高い表彰台に上っていて、初めて2番目の表彰台に上ったときに『ああ、負けた人っていうのはこういう気持ちだったんだな』ということを感じた。負けて得るもの、負けて知るものを思えばすごく大きかったなと。私自身にも成長させてくれたなと思う」

 -キャスターなど新たに挑戦したいことは。

 「でも私は結構バラエティーとかそういうのが好きで、テレビにも出させていただいている。とにかく笑って笑顔でいることが好きなので、キャスターというよりもバラエティーの方が自分では向いているのかなと。いろんなことに挑戦できたらなという思いもあるし、何かありましたら(オファーを)よろしくお願いします」

 -後継者は誰を指名するか。

 「奥野春菜っていう選手もいるし、向田真優選手もいる。他にも50キロ級で私を尊敬してくれている登坂絵莉選手(東新住建)もいるし、どの選手が代表になるかは分からないが、みんなで頑張っていけたら」

 -4度の五輪はどのようなものだったか。

 「夢の舞台に4度も出場することができて、自分の父は五輪を目指して出られなかったので。兄たちも五輪を目指していたが、出られなくて。家族の応援、支えが夢を大きく、強く持たせてくれたので、頑張れたのかな」

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