“東海大の韋駄天”小松陽平 22年ぶり区間新&MVP「ようやく肩を並べられた」

 「箱根駅伝・復路」(3日、神奈川県箱根町芦ノ湖駐車場~大手町)

 平成最後の箱根駅伝で、悲願はついに成就した。往路2位の東海大は、8区の小松陽平(3年)が区間新記録の走りでトップに立つと以降は首位を譲らず復路2位、大会新記録となる合計10時間52分9秒で46度目の出場にして初の総合優勝を果たした。就任8年目の両角速監督(52)は「いろんなチャレンジと反省を生かしながら総合優勝でき、非常にうれしい」と喜びをかみしめた。

 東海大“黄金世代”における伏兵の激走が、悲願の初戴冠を手繰り寄せた。首位東洋大と4秒差でタスキを受けた8区の小松は、すぐに追いつき冷静に東洋大の1年生・鈴木の背後にピタリ。じわりじわりと重圧を掛け続けると、14キロ過ぎからの上り坂で一気に圧巻のスパートで逆転。逆に51秒のリードを奪って9区へつないだ。走破タイム1時間3分49秒は、97年大会の古田哲弘(山梨学院大)の持っていた最古の区間記録(1時間4分5秒)を22年ぶりに更新。歴史的ランが頂点への道を切り開いた。

 「走っている時に監督から『区間新いけるぞ』って言われ、“うそだ”と思ってた。97年は生まれた年。なんか縁があるのかな」

 東海大の現3年生は、15年の全国高校駅伝「花の1区」における上位6人中5人が入学。“超高校級”の証しである5000メートル13分台が3人もいた、きら星のごとき世代だ。そんな中で、小松、そしてアンカーでゴールテープを切った郡司は脇役的な存在だった。「僕は高校時代は14分20秒。1、2年で力を蓄えて、3、4年で活躍しようと思っていた。僕と郡司が(世代の)上のやつらを食っていこうとしてた。その2人で活躍できてうれしい」。切磋琢磨(せっさたくま)の中で磨き上げた力が、これまでの東海大に足りなかった“強さ”を加えた。

 大会MVPも獲得。連覇の懸かる来年へ「同期たちにようやく肩を並べられた。追い越して逆に僕がこの世代を引っ張っていきたい」と、血気盛んに宣言した。才能あふれる世代内で巻き起こった下克上が、青学という巨大な壁をぶち破る起爆剤となった。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス