川井梨紗子号泣…まさかの結末にぼう然 「馨さんは馨さんだった」

 伊調馨(右)と握手する川井梨紗子
2枚

 「レスリング・全日本選手権」(23日、駒沢体育館)

 女子57キロ級決勝が行われ、五輪4連覇の伊調馨(34)=ALSOK=が、リオデジャネイロ五輪63キロ級金メダルの川井梨紗子(24)=ジャパンビバレッジ=に3-2で逆転勝ちし、3年ぶり13度目の優勝を果たした。

 心をさらけ出せるのは母しかいなかった。堪えていた涙があふれ出た。競技終了後の喧噪(けんそう)に紛れた電光掲示板裏の暗い通路。川井梨は母初江さんにしがみつき、子供に戻ったように嗚咽(おえつ)を上げた。

 受け入れがたい結末だった。2点を先行したまま終盤を迎えながら、残り10秒で逆転を許し優勝を逃した。勝者として右腕の上がった伊調の隣で川井梨は焦点の定まらない目で立ち尽くした。「負けたという感じ。終わったばかりなので分からない」。唇をかみ、言葉が続かなかった。

 22日の1次リーグでは4度目の対決で初めて伊調を下していたが、張り詰めた緊張感も漂わせていた。母は「プレッシャーはあったでしょうね」と娘の重圧を思いやった。決勝で返り討ちにあい「(伊調)馨さんは馨さんだった。強い選手だということに変わりなかった」と女王をたたえた。気持ちが守りに入ったのかという質問に「ないです」と否定したところで会見は打ち切られ、その足で母のもとへと向かった。

 東京五輪代表選考を兼ねた来年の世界選手権(カザフスタン)に出場するためには、来年6月の全日本選抜選手権での優勝が大前提になる。「1番にならないと代表にもなれないし五輪にも出られない。それだけ」と自分に言い聞かせるように語った。勝ち続けるしか道は残されていない。

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