世羅男子は2位 昨季20位の屈辱から大躍進も最多10度目Vならず…

 「全国高校駅伝・男子」(23日、西京極陸上競技場発着、男子7区間42・195キロ)

 男子の世羅(広島)は2時間2分23秒で2位となった。4区で留学生のジョン・ムワニキ(1年)が区間記録に並ぶ22分32秒の快走でトップに立ったが、6区で倉敷(岡山)に逆転された。最多10度目の優勝は惜しくも逃したが、昨年の20位から大躍進。2年生以下が多いチームは来年の頂点を誓った。倉敷(岡山)が2時間2分9秒で2年ぶり2度目の優勝を飾った。

 アンカーの倉本玄太(2年)はゴールすると、顔をくしゃくしゃにして両手を合わせた。トラック外のテントへ向かう間もむせび泣き、チームメートに肩を抱かれる。届かなかった3年ぶりの栄冠。悔しさが募った。

 描いていたプランは、序盤は食らいつき4区のムワニキで逆転。5区以降がそのリードを守るというものだった。1区の梶山林太郎(3年)が6位で終えると、その後も着実にタイムを刻み、想定通りにレースが進んだ。

 留学生ランナーの多くが3区で起用されている。だが、岩本監督はムワニキの適性を見極め、下りが多い4区で起用した。「貯金ができたし、予想以上の出来だった」。3位でバトンを受けたムワニキは大きなストライドでグングン加速し、5キロ過ぎにトップに躍り出た。同校の卒業生でもあるカロキが08年に樹立した区間記録と並ぶ走りは圧巻だった。

 プランが崩れたのは終盤。6区の北村惇生(2年)が2・8キロ過ぎで逆転されると、13秒差でたすきを受けた倉本も、5000メートルの持ちタイムでは倉敷のアンカー井田を上回っていたものの追い付くことはできなかった。

 「4区で優勝への視界が開けたけど6、7区で足が動かなかった。起用したのは僕だから。優勝を狙っていたから(悔しさは)当然ある」。岩本監督は時折、唇をかみしめながら言葉を紡いだ。

 15年連続48度目の出場。出場回数は今大会参加校で最多だ。さらに14、15年で2連覇しており9度の優勝回数も歴代単独トップに立つ。昨年はまさかの20位に沈んだが、チームを立て直し、今年の成績につなげた。

 だが、強豪校だけに2位で満足することはない。補欠を含めた10人中、7人が2年生以下と若い。「強い気持ちを練習にぶつけて、来年は絶対に優勝したい」と倉本。岩本監督も「ゼロからのスタートになるが、残る生徒が多い。それが良い方向に向かってくれれば」と力を込めた。準優勝を新たな力に変えて、スタートラインに立つ。

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