宮原知子、完ぺき演技の裏で「足が震えるのを頑張ってこらえた」SP首位

華麗な演技で首位に立った宮原知子=東和薬品ラクタブドーム(撮影・北村雅宏)
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 「フィギュアスケート・全日本選手権」(21日、東和薬品ラクタブドーム)

 女子ショートプログラム(SP)が行われ、大会5連覇を狙う宮原知子(20)=関大=が76・76点で首位スタートを切った。「最初から最後まで足が震えるのを頑張ってこらえた」と言うのが嘘のように、優雅に舞った。わき起こったスタンディングオベーションには、何度もていねいにお辞儀した。

 2週間前に同門の後輩、紀平梨花が初出場GPファイナルで初優勝。その陰で最下位6位に甘んじたのが宮原だ。正確さを武器とするはずのジャンプに出たわずかな狂いは、精神的にも大きな負担になった。

 しかし、ここから修正できるのが宮原の強みだ。この日は課題のルッツなどすべてのジャンプで加点をつけ、スピン、ステップもすべて最高点のレベル4を獲得。ファイナルで違和感のあったスケート靴もNHK杯の時の物に戻し、ISU非公認ながら今季自己ベストの76・76点をマークした。

 女子では1992年アルベールビル五輪銀メダリストの伊藤みどりが、92年まで8連覇して以来となる5連覇が懸かる。「もっとジャンプを跳べたらなと思ったけど、今できることは何とかできたかな」とホッとした表情を見せた。「試合ごとにいろんな気持ちが湧いてくる。まだまだ自分観察が必要」とも。静かに強く自らと向き合う20歳が、5度目の女王の座に王手をかけた。

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