張本智和 ホープ対決制し初の決勝進出「やっとここまで来られた」
「卓球・グランドファイナル」(15日、仁川)
シングルスの男子準決勝で張本智和(15)=エリートアカデミー=がウーゴ・カルデラノ(ブラジル)を4-0で下し、決勝に進出した。準々決勝で水谷隼(29)=木下グループ=は梁靖崑(中国)に4-2で勝ち、準決勝で林高遠(中国)と対戦。女子の石川佳純(25)=全農=は準々決勝で何卓佳(中国)に3-4で敗れた。
初の決勝進出をいとも簡単に決めた。国際卓球連盟の年間表彰でともに最優秀選手にノミネートされていたホープ対決を、張本がわずか35分程度で制した。強豪が居並ぶグランドファイナルの頂点にあと1勝とし「やっとここまで来られた」と充実感に浸った。
荒々しさの影にもろさがひそんでいたこれまでとは違う。「焦っても仕方ない。1球でも多くつなぎ、ミスを待った」と対応し、甘い返球を多彩な技術で的確に仕留めていく。第3ゲームは「『ゾーン』に入っていた。何がきてもこう返そうというイメージができていた」と明かすほど、感覚も研ぎ澄まされていた。
周囲からは大躍進の1年に映るが、6月の荻村杯ジャパン・オープン以降は優勝から遠ざかり、主将を務めて必勝を期した10月のユース五輪も苦杯をなめた。「たくさん悔しい思いをしてきた」と、大の負けず嫌いにとって、半年前の栄光は既に遠い過去の話だ。「この1年の全てをぶつけたい」と優勝へ照準を定めた。





