関学大2年ぶり56度目V 悪質タックル受けた奥野が勝利に導く

 試合後、優勝杯を手に校歌を歌う関学大の光藤主将(10)ら
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 「関西学生アメフット、関学大31-7立命大」(18日、万博記念競技場)

 関学大が立命大に31-7と圧勝し、6勝1分けで2年ぶり56度目の優勝を果たした。今春の定期戦で日大選手から悪質な反則タックルを受けたQB奥野耕世(2年)が先発出場し、2本のTDパスを決めるなど勝利に大きく貢献した。関学大は全日本大学選手権決勝「甲子園ボウル」(12月16日)の西日本代表決定戦(同2日、万博)進出が決定。6勝1敗で2位の立命大は西日本代表校決定トーナメントの4回戦(25日、名古屋)に回り、名城大に勝てば再び関学大と対戦する。

 右手から放たれたボールは鮮やかな放物線を描き、WR阿部(3年)の胸元にストンと収まった。第2Q、奥野が19ヤードのTDパス。「思った通りに投げられた。結構、練習してきたので自信はあった」。

 さらに第4Qには右サイドを走るWR小田(4年)に鋭くパスを通し、立命大を突き放す44ヤードのTDパスを決める。「始めはテンポよく進められなかったが、徐々に落ち着いてプレーできた」。関学大を2年ぶり頂点へと導いた2年生QBは、冷静な口調で大一番を振り返った。

 5月に日大との定期戦で悪質な反則タックルを受けた。腰などに全治3週間のけがを負い、また思わぬ騒動となって注目を浴び、春シーズンにしっかりと実戦を積むことができなかった。それでも「(騒動の)影響は特にない」ときっぱり。夏、そして秋のリーグ戦で経験を重ね、武器のパスに磨きをかけてきた。この日は12回投げて成功9回、161ヤード、2TD。自らのプレーで、フィールド上の誰よりも注目を集めた。

 4年生QBの西野、光藤とめまぐるしく入れ替わり、異例のQB3人態勢で立命大を圧倒した。「2人が出ている間に(相手の)DFを見られるし、頼りになる先輩です」と奥野。試合前には2人から「楽しんで、思いっきりやってこい」と背中を押してもらったという。主将の光藤は「奥野はすごい重圧があったと思うが、メンタルが強い。頼りになる」と後輩の成長に目を細め、「関学大のエースQBになったんじゃないか」とうなずいた。

 会心の勝利で覇権を奪回。ただ、2週間後の西日本代表決定戦で立命大と再戦することが濃厚だ。「絶対に勝って甲子園に行く」。チームの中心に立つ奥野が力強く、返り討ちを宣言した。

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