錦織圭、完敗も充実締め ケガから復活「十分過ぎる1年だった」

 「男子テニス・ATPファイナル」(15日、ロンドン)

 年間成績上位8人によるツアー今季最終戦、シングルスの1次リーグB組最終戦で世界ランク9位の錦織圭(28)=日清食品)=は同8位のドミニク・ティエム(オーストリア)に1-6、4-6で屈して1勝2敗で同組最下位となり、準決勝進出はならなかった。ティエムも1勝2敗の3位で敗退した。ロジャー・フェデラー(スイス)がケビン・アンダーソン(南アフリカ)を6-4、6-3で下して2勝1敗で並び、直接対決でフェデラーが1位、アンダーソンが2位となって4強入りした。

 今季の最終戦はほろ苦い結末になった。錦織は2年ぶりの準決勝進出を懸けてティエムに挑んだが、計5ゲームしか奪えないストレート負け。アンダーソン相手にわずか1ゲームしか取れずに完敗した第2戦から立て直すことができず、「ほぼ試合にならなかった。とにかく今週はいいプレーができなかった。全く納得できない」と意気消沈した。

 「あまりいい終わり方ではなかった」と悔やんだが、昨年8月の右手首故障から復活した今季は「本当に十分過ぎる1年だった」と実りの多いシーズンにもなった。今年1月にツアー下部大会で実戦復帰し、世界ランクは39位まで下がったが、ウィンブルドン選手権で自己最高8強、全米オープン4強と躍進。「いいテニスができたことが大きな自信になった」と10月の2度のツアー準優勝などにつながった。

 右手首の状態に手応えを得るまでに「復帰してから4、5カ月はかかった」と苦しんだが、今季の目標だった世界ランクのトップ10返り咲きやATPファイナル進出も果たした。「いろんなことを乗り越えることができた」と実感した日本のエース。20代最後の来季は3シーズンぶりのツアー優勝やトップ5復帰へ再挑戦する。

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