日大・宮川、再出発 約5カ月ぶり練習復帰で報道陣に深々一礼

 日本大アメリカンフットボール部の関西学院大との定期戦における悪質タックル問題で、前指導陣から指示を受けて反則行為をした日大の宮川泰介選手(20)が4日、東京都世田谷区の日大グラウンドで約5カ月ぶりに練習に復帰した。練習前に取材に応じた橋詰功監督(55)は復帰までの経緯を説明。当面はフルメニューはこなさず、面談などでメンタルケアを行うことを明かし「一緒にチームづくりをしていきたい」と、名門再建の柱として期待を込めた。

 小雨の中、5カ月ぶりに練習グラウンドに立った宮川選手はひときわ緊張した面持ちだった。かけ声を合図に輪をつくるメンバーの外に立つと、集まった報道陣に向けて深々と一礼。顔を上げて仲間の輪に加わった。前首脳陣に強いられ、丸刈りにしていた髪は少し伸びた。頭をたたかれて歓迎されると、ダッシュなどのアップを始めた。

 反則を実行した責任を感じ「アメフットをやる資格はない」と復帰を断念していた。しかし、8月中旬に初対面した橋詰監督は1時間の面談の中で「言葉はなかったが(復帰への)気持ちは感じた」と確かなアメフット愛を確認した。

 チームを再建する上で「外から見るだけでなく、中で手伝うことも必要」とし、「(反則を)やったことは事実だが、フットボールを通じて社会に出て行く大人として育ってもらいたい」と、手をさしのべるに至った経緯を説明した。

 被害選手やその家族をはじめ、関学大の鳥内監督からも「いいんちゃう」と復帰へのお墨付きをもらった。そして、3日に関東学生連盟から正式に承認された。チームメートからは「やっと一緒に練習できる」と歓喜の声が上がったという。

 ようやく再出発のスタートラインに立ったが、この5カ月は自主トレを行っていたもののブランクは大きく、「すぐにバリバリ選手としてというわけではなく、監督の管理の下、徐々に戻ってもらいたい」と指揮官。スポーツの名を借りたハラスメントによって誰よりももがき苦しんだ青年が、名門再建への新たな屋台骨になる。

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