池江璃花子が金!大本命100mバタでまた日本新 18歳ヒロイン笑顔で「楽しい」
「競泳・パンパシフィック選手権」(11日、東京辰巳国際水泳場)
女子100メートルバタフライで、200メートル自由形銀メダルの池江璃花子(18)=ルネサンス=が56秒08の日本新記録をマークし、主要国際大会で初めて金メダルを獲得した。女子200メートル個人メドレーは大橋悠依(イトマン東進)が2分8秒16の大会新記録で制し、400メートルと2冠を達成。寺村美穂(セントラルスポーツ)が3位に入った。男子200メートル個人メドレーは萩野公介(ブリヂストン)が1分56秒66で3位、瀬戸大也(ANA)は4位に終わった。
水を味方につけたかのように、しなやかに美しく水面を翔(か)けた。ゴール直前まで世界記録をも上回る驚異のハイペース。「最後はバテて、抜かれたらどうしようかと思った」というが、自身の持つ日本記録56秒23を0秒15更新する会心の泳ぎで初優勝を果たした。16年リオ五輪、17年世界選手権ともに銀メダル相当、世界歴代4位の好記録。「金メダルが取れてすごくうれしい」。大声援に池江は、愛くるしい笑顔と両手のガッツポーズで応えた。
幾度となく日本記録を塗り替え、大きな期待を背負ってきた池江だが、昨季は挫折も味わった。世界選手権は「力不足で、レース前は不安だった」。まだ高校生。重圧もあったろう。沈む心を奮い立たせてレースに臨んだが、本来の泳ぎができず涙があふれた。
覚悟を決めた。望む結果を得るためには、努力しかない。サボり癖を正し、厳しい練習とも真正面から向き合った。東京五輪を見据え、中学時代から師事する村上二美也コーチを離れ、元五輪代表の三木二郎氏のもとへ移った。今は「楽しいと思える練習ができている」。ひたむきに水泳と向き合ってきた。
表彰台の真ん中で君が代を聴きながら、思わず目が潤んだ。「2年後、五輪の舞台で流せたら」。ライバルは世界記録55秒48を持つサラ・ショーストロム(スウェーデン)。壁は高いが「サラ選手を抜かしたら金メダル宣言をしたい」と言う。
泳ぐことが「めちゃめちゃ楽しいです」と語る瞳が輝いているのは、それが偽りのない本音だから。2020年東京五輪の頂へ。東京生まれの池江が、世界のIKEEとして歩み出す。