山根会長、辞任表明 告発側は徹底追及姿勢!除名と全理事解任要求

 不正問題に揺れる日本ボクシング連盟の山根明会長(78)が8日、大阪市内で「本日をもって辞任を致します」と表明した。ただ報道陣の質問を受け付けず、「辞任」の中身が判然としない“灰色辞任”。告発側の「日本ボクシングを再興する会」に名を連ねる宮崎県ボクシング連盟の菊池浩吉副会長は「逃げたという印象」との見解を語った。また「再興する会」は同日、都内で会見し、日本連盟の山根会長の除名と全理事の解任を求めた。

 拍子抜けだった。会長一任となっていた自身の進退について「人生を懸けてモノを言う」と語っていた山根会長だが、実際は詰め掛けた100人を超える報道陣の質問を受け付けず、約3分間の声明を発表するだけの一方的なものだった。

 予定していた正午より約30分遅れ、スーツ姿で弁護士を伴い登壇した山根会長は「本日をもって辞任を致します」と進退を表明した。ただ、理由については夫人から「死ぬまで面倒を見るから楽になってください」と諭されたとするのみ。最後に「本当に申し訳ありませんでした」と約10秒間、深々と頭を下げたが、どの役職を辞任するのか、山根会長の口からは一切明確にされなかった。会場を出る際、自らの非を認めるかという問いに「認めない」と短く答えただけで、説明責任を果たすことはなかった。

 これに対して約2時間後、都内で記者会見を開いた「再興する会」の菊池氏は「逃げたという印象」と不快感をあらわにした。さらに「何を辞任したのかが現状分からない。もし籍を残すなら除名処分を求めて臨時総会を求めたい」とし、対決姿勢を鮮明にした。

 午後6時から都内で日本連盟の吉森昭夫専務理事が緊急会見を開いたが、お粗末な会見が混乱に拍車を掛けた。山根会長の意向を確認しておらず、報道陣から辞任について会長職、理事、連盟の会員いずれまでなのか問われた吉森氏は「確認したわけではないが、会長の性格上、すべて辞めるという約束だと思う。それが当然」と説明。ただ、あいまいな回答に報道陣からの追及がやまず、「しつこい!」と逆切れする場面もあった。

 山根会長は声明発表後、エディオンアリーナ大阪でテレビ局の取材を受けた。夕方には自宅に戻ったが、矢継ぎ早に投げ付けられる報道陣の質問に、突然指を2本立てて謎のピースサインを見せた。「(会長と理事)2つとも辞めるということか」と質問も飛んだが、今度は人さし指を口に当てて無言を貫いた。混乱する報道陣をかき分けるように進み、関係者とみられる女性に口元を押さえられる場面もあった。

 声明発表前に収録した日本テレビ系「ミヤネ屋」の映像では「法的に対応していきます。当ったり前ですよ」と語気を強め、名誉毀損(きそん)などで法的手段に訴える考えを示した。告発側は山根会長の除名を求めており、“仁義なき戦い”の終わりは見えない。

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