太田雄貴氏、VRで“太田雄貴”と対戦「出演している素材が悪い」
日本フェンシング協会会長で08年北京五輪銀メダリストの太田雄貴氏(32)が28日、羽田空港で行われたJAL主催のイベントに参加した。競技をアピールするためにルールを解説したほか、一般客でもフェンシングを体験できるように用意されたVR(バーチャルリアリティー)映像も実際に体感した。
ライバルは自分自身-。アスリートにとっての永遠の命題がまさに具現化された。太田氏は、近未来感あふれるVRゴーグルを頭にセット。そして目の前に現れたのは太田氏自身だった。
百戦錬磨の太田氏といえど、自分と“対戦”するのは初めてのこと。「(映像を)レコーディングしたときの事を覚えているので、動きは分かっている」と予測可能だったが、現役を退いて約2年がたつだけに「分かっていても止められないくらい、自分が動けなくなっていることにガックリした」と苦笑いした。
VRを現役の選手強化にも活用できるのかについては「出演している素材が悪いですね(笑)」と自虐して笑いを誘いつつ、「(映像を)360度どこからも見られるのが強みで、下からも見られる。今の世界トップ選手に来てもらって撮影することができれば、世界中の地域格差もなくなり選手強化にも利用できると思う」と可能性を明かした。
2020年東京五輪に向けて、今後も各地でイベントを実施し、体験VRも設置する。「動ける頃の太田雄貴をレコーディングしているので、それなりに動いてくれる。(一般の方が)トップ選手ってこんなに速いんだと体感できる機会になれば」と期待を込めた。