賛否渦巻く東京五輪新種目バスケ3人制…張本勲氏は“喝”3×3って何?

 6月9日に行われた国際オリンピック委員会(IOC)臨時理事会で突如として2020年東京五輪の新種目に決定したバスケットボール3人制「3×3(スリーバイスリー)」。都内のショッピングモールで17日に行われた国内トップリーグの開幕戦は、前年の2倍となる2万人を超える観衆を集めた。注目が高まる一方で、野球解説者でスポーツ界のご意見番的存在の張本勲氏(77)からは「何が面白いのかね」といきなり“喝”を入れられた。賛否両論のストリート系新種目、その魅力に迫った。

 五輪種目として見れば、その光景はやはり“異質”だった。

 ショッピングモールの屋外広場で開催された3人制の国内トップリーグ開幕戦。フェンスのわずか1~2メートル先で繰り広げられる豪快なダンクや、華麗なプレーに、各チームのサポーターに加え、買い物に訪れた家族連れやカップルが足を止め視線を送る。専属DJがご機嫌なクラブミュージックを響かせ、MCはコートを出入りしながら実況。エンターテインメント性を追求した新たなスポーツの姿がそこにはあった。

 「3×3」の起源は、ストリートで遊びとして行われていた「3on3」で、国際統一ルールを作り正式に競技化した。競技面でも、その名残を色濃く残し、5人制とは似て非なるものとなっている。開幕戦を制したブレックスの真庭城聖(31)が魅力として挙げるのは、“スピード感”だ。試合時間は最大で10分。21点取ればノックアウト(KO)勝ちとなる。シュートの制限時間は、5人制の半分の12秒で展開が速く「5人制よりグダグダな試合は少ない」と中身の濃さを強調する。

基本的に屋外で

 また、基本的には屋外で行われるため、自然など環境の変化との闘いもある。開幕戦では前日の雨の影響で、芝生の上に設置された板が水を吸い、ボールが跳ねなかった。また屋外では風や、光の変化の影響もある。開幕2戦目は決勝の途中で雨が降りだし、急きょ屋内施設にコートを移し、試合を再開した。同リーグの中村考昭コミッショナーは「環境が変わる中でチームとしてどう適応していくかも見どころ」と、話す。

 競技者の夢は広がる。新種目採用を受けて、米国では5人制のようなドリームチーム結成の議論も高まっている。日本でもBリーガーの参加が期待されるが、3人制の“スペシャリスト”も夢舞台を目指す。ブレックスの菊池亨(29)は平日は建築業に従事し、3人制の日本代表候補にもなった。「3人制と5人制は全然違う。プロにアマチュアが勝ったりする。僕も日本代表は狙う」と、腕ぶす。NBAプレーヤーと、日本のアマチュア選手の対決が実現するかもしれない。

 東京五輪での会場や開催方式はまだ未定。独特のノリを浸透させ、“あっぱれ”な評価を得られるか。都市型ニュースポーツの挑戦が始まった。

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