至学館大 解任の栄氏の後任に吉田沙保里が有力に谷岡学長「ありえると思う」

 「レスリング・全日本選抜選手権」(17日、駒沢体育館)

 日本レスリング協会副会長で至学館大の谷岡郁子学長(64)が報道陣の取材に応じ、レスリング女子で五輪4連覇の伊調馨(ALSOK)にパワーハラスメントを行ったことが認定された栄和人前強化本部長について、同大の監督を解任したことを発表した。大会終了後に会見した谷岡学長は「私たち至学館大学は栄和人監督を解任することを決断いたしました」と、明かした。

 谷岡学長は後任監督は未定としながらも、同大の副学長で日本代表のコーチを兼任している“霊長類最強女子”吉田沙保里の起用について「ありえると思う」と、否定せず。「これからはみんなで話し合って決めるのがありようだと思う」と、調整していく意向を示した。

 栄監督はパワハラが認定された4月に協会の強化本部長を辞任。その後は至学館大の監督として、選手たちを指導しており、この大会で“現場復帰”した。大会初日の試合前に、パワハラ認定後初めて公の場に姿を見せ、20分間の謝罪会見を行ったが、谷岡学長は「謝罪会見、その後の様子を見て、まったくまだ分かっていない。反省できていない」と、栄氏の態度に不満を感じ、大会2日目の昼に栄監督の居場所を関係者に聞いたところ、友人と昼食に出かけており「これは駄目だなと。陣頭指揮をとる人のやることではない」と、解任を決断したという。栄氏を名古屋に“強制送還”し、翌日に大学の関係者などと調整し、解任を最終決断した。

 パワハラ発覚から約4カ月。「この120日間、(問題の当事者としての)ありようやアドバイスをしてきた。その結果がこれだった」と、最後まで失望を隠さなかった。

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