鶴竜 引退危機から復活!白鵬に気迫勝ち サプライズで両親来日…愛妻に感謝

 「大相撲夏場所・千秋楽」(27日、両国国技館)

 鶴竜が白鵬との横綱対決を寄り切りで制し、14勝1敗で自身初の2場所連続、5度目の優勝を果たした。昨年の引退危機を乗り越えて完全復活。愛する妻子、モンゴルからサプライズ来日した両親と抱き合い歓喜した。関脇栃ノ心が勢を寄り切って13勝締め。大関昇進を預かる審判部は昇進で意見を統一し、阿武松審判部長(元関脇益荒雄)が八角理事長(元横綱北勝海)に昇進を諮る臨時理事会の開催を要請し了承された。昇進は事実上の決定で30日、同理事会を経てジョージア初の新大関が誕生する。栃ノ心は3度目の技能賞と6度目の敢闘賞も獲得した。

 家族、後援者らとの優勝記念撮影のため支度部屋に戻ると、鶴竜は驚いた。何とモンゴルにいるはずの自身とムンフザヤ夫人の両親がともにいたのだ。

 「奥さんがやってくれた。よく切符が取れたよ。(自身の)お父さんは国技館に来たことなかったから」

 愛妻のサプライズに感謝感激。久々に対面した家族と抱き合った。愛する妻子を抱きキスの嵐。29日に愛娘アニルランちゃんが3歳の誕生日を迎え、髪を切る祝事があるため来日したそうだが、目の前で賜杯も見せ2倍、3倍の歓喜となった。

 1差の栃ノ心が勝ち負ければ決定戦。過去6勝39敗の白鵬と千秋楽の大一番、勝てば優勝の重圧も鶴竜は泰然だった。右前みつを取り一気に出た。粘られ押し戻されたが焦らない。両上手を引き、こん身の寄りで決めた。

 「何が何でもという気持ち。絶対(本割で)決める」と気迫勝ち。自身初の2場所連続優勝は「大きな意味を持つ」とかみしめた。

 14年春場所で横綱昇進を決めたが連続優勝でなく準優勝、優勝だった。「ラッキーで上がったと思われたくない。連続優勝で証明したいという自分がいた」と男の意地だった。

 昨年は右足首、腰部などを故障し4場所連続休場。進退危機に追い込まれた。リハビリの日々、自身と向き合った。「勝ちたい気持ちをいかに抑えるかが難しい」。失敗を繰り返したからこそ、目先の欲にとらわれない境地にたどりついた。

 V5を果たした優勝インタビュー。「生まれ変わる、進化したい、土俵に戻ってきた時にまだ鶴竜はこういう相撲を取るんだぞという気持ちでずっとやってきた」と堂々の完全復活を宣言した。

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