大学アメリカンフットボール定期戦で、日大選手に悪質な反則タックルを受けた関学大は２６日、西宮市内で３度目の会見を行った。関学大アメフット部の鳥内秀晃監督と小野宏ディレクターに加え、反則を受けたＱＢ選手の父である奥野康俊氏も出席。２４日に提出された日大からの再回答書も公開した。

　再回答書はほぼこれまでと変化がなく、小野ディレクターは「多くの矛盾があり、再回答書には真実とは到底認識できない」「納得できるものではない。極めて不自然なものが多く、誠意あるものと考えられない。」と断罪。今後、日大との定期戦を取りやめることも報告した。

　鳥内監督は「前の回答とあまり変わりがないという印象。ちゃんと調査していただきたい」と主張。破たんした信頼関係について「変わりません」とした。日大・井上コーチに対して、「（宮川選手が）勇気をもって記者会見したように、井上コーチもはっきり真実を語ってほしい」と伝えた。また、日大の現役メンバーが声明文を発表する動きがあることに「仲間、それ以外のメンバーが正直に、声明を発表すればいいんじゃないかなと思います」と語った。

　鳥内監督は内田前監督、井上コーチの会見について「本当にじぶんの責任と考えるなら、発言内容が変わっていたと思う。本当の責任をあいまいにしている。井上コーチは本当に思っていることを言えているのかなと思いました」と首をひねった。

　一連の問題では関学大との定期戦で、宮川選手が相手ＱＢ選手に背後からタックル。宮川選手は単独で会見を謝罪の意を述べるとともに、内田正人前監督や井上奨コーチの指示があったと主張した。一方、内田前監督と井上コーチはこれを否定。お互いの言い分に食い違いが生じている。

　日大の再回答書では問題の原因について「弊部といたしましては弊部選手を追い込んだ精神状態にし、それによって弊部選手が思い込んでしまったことが反則行為の原因であると考えています」と記された。

　小野ディレクターは「宮川君の話に信憑性がある。（指示なく）あのようなことをやったと考えられない」と強調。鳥内監督は「井上コーチが監督の存在を気にしている印象を受けた。大学のスポーツの中で、監督がこわいのはある。コーチですら言えない。そういう中で教育できるのかな」と疑念を抱いた。