原沢涙の復活V 3年ぶり美酒「執念だけで戦った」

 「柔道・全日本選手権」(29日、日本武道館)

 世界選手権(9月・バクー)男子100キロ超級の代表最終選考会を兼ねて体重無差別で行われ、リオデジャネイロ五輪男子100キロ超級銀メダルの原沢久喜(25)=日本中央競馬会=が、決勝で3連覇を狙った王子谷剛志(旭化成)に延長の末に反則勝ちし、3年ぶり2度目の優勝を果たした。原沢とともに、4強に入った小川雄勢(21)=明大=が世界選手権代表に決定した。ともに昨年の世界王者で初挑戦だった60キロ級の高藤直寿、73キロ級の橋本壮市(ともにパーク24)は初戦の2回戦で敗退した。

 普段はクールな男の目に涙が光った。3年ぶりに日本一に返り咲いた原沢は「3年前は勢いで怖いものもなく優勝した。今回は若手も出てきて、いろんな要素がある中で勝ち取った意味は大きい」と、五輪後の低迷を乗り越えての復活に万感の表情を浮かべた。

 優勝以外に世界への道はない。背水の境地で初戦から5試合計33分22秒を戦い抜いた。決勝も王子谷とがっぷり四つで組み合い、延長に入ってからも互いに大外刈りを掛け合って意地をぶつけ合った。「立っているのもキツかったが執念だけで戦った」。9分を超え、根負けした相手に3つ目の指導が入って決着。記憶がなくなるほどの死闘を制した。

 昨年の全日本は絞め落とされ失神。世界選手権は初戦で敗れ、昨秋には「オーバートレーニング症候群」と診断され休養を余儀なくされた。今年に入り本格的に稽古を再開し、ようやく勝負強さを発揮。金野強化委員長は「技のキレはまだまだだが、精神的、体力的なスタミナが戻ってきた」と評価した。

 今月限りで日本中央競馬会を退社する。「最後に優勝で皆さんに恩返しできてよかった」。退路を断ち、2020年までは柔道だけにまい進する。「もう一度世界王者を目指したい」。再生した重量級エースが完全復活を誓った。

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