横審、稀勢の里の休場 夏場所も容認 北村委員長「やむを得ない」
日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会が26日、東京・両国国技館内で会合を開いた。途中休場を含め6場所連続で休場中の横綱稀勢の里(田子ノ浦)について、北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は「できるという気持ちになった時に出てきてほしい」とし、5月に行われる夏場所に必ずしも出場する必要はないとの見解を示した。
同じく春場所を休場した白鵬と合わせて、「横綱の責任で出なきゃならんとか、あるいはファンから期待されているから出なきゃならんという気持ちと、本当に15日間きちんとできるかというのを、自分に対する自信というか、自分の体調の確認ということとの調整をきちんとやって、来場所以降頑張ってほしいなと思います」と土俵を務められる状況になってからの出場を望んだ。
夏場所には「出てきてほしい」という思いは持ちつつ、場所前の稽古を通じて仮に休場を選択することになっても「それはそれで、やむを得ない。頑張れと言うしかないですね」と容認する考えを示した。
ほかの委員のうち岡本昭氏は「横綱は万全な力を出せる時に出てこいと、中途半端な時に出てくるなというのが昔の人の考え。我々もそう思うわ」と語った。
初場所後の会合では出場と途中休場を繰り返す稀勢の里に対して、北村委員長は「同じことが続いている。(出場できるかどうか)判断を間違えてはいけない」と横審全体としての意見を述べていた。しかし、必ずしも春場所や夏場所の出場を求めるような意見はなく、体調を万全にすることを求めていた。
この日も「現段階で横審として決議するとか、(意見を)まとめるとかいうことは必要ないなという話です。しっかり体を治して次、頑張ってほしい。これは全員一致しました。次の経過を見て判断しないといけない時はしますけど、今の段階では必要ないということです」と横審全体としての考えを語った。