関根花観3位 女子マラソン界にまたも新星!日本人トップでGCゲット!

 日本勢トップの3位でゴールし、東京五輪のマラソン代表選考会出場権を得た関根花観
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 「名古屋ウィメンズマラソン」(11日、ナゴヤドーム発着)

 20年東京五輪代表選考会「グランドチャンピオンシップ(GC)」出場権と、8月から9月にかけて行われるジャカルタ・アジア大会代表選考会を兼ねて行われ、初マラソンの関根花観(22)=日本郵政グループ=が2時間23分07秒で日本人トップの3位となり、規定をクリアし、GC出場権を獲得した。日本人2位(全体4位)の岩出玲亜(23)=ドーム、同3位(全体5位)の野上恵子(32)=十八銀行=もGC出場権を得た。優勝は2時間21分45秒のメスケレム・アセファ(エチオピア)だった。

 女子マラソン界にまたも新星が現れた。初挑戦の関根が日本人トップの3位でゴール。中盤以降は一人旅となり「何度か心が折れそうになった」というが「最後は無我夢中だった」。粘りの力走で初マラソン歴代4位の好タイムをマークし、快晴の名古屋で“開花宣言”した。

 活路を求めた42・195キロだった。昨季は1万メートルでリオ五輪に出場するなど躍進したが、今季の日本選手権は同種目6位と不発。調子も上がらず、自信を失いかけた関根に「変わるきっかけを」と高橋昌彦監督が与えたのがマラソンだった。

 陸上を始めた中学2年の頃から夢見続けた初舞台は、東日本大震災からちょうど7年の日。7年前、関根は卒業式を翌週に控える中学生だった。決まっていた進学先は、被害を受けた仙台育英高だ。

 寮があったのは、4メートルを超える津波に襲われ、約5000世帯が半壊以上の被害を受けた多賀城市。入学式は約1カ月遅れ、校舎はプレハブだった。クラスには親を亡くした友人もいた。がれきの山の間を走った日もある。それでも家族に愚痴をこぼしたことはなく、逆に「私はよそ者なのに良くしてくれる。すごく温かい」と語ったという。最終的には高校1年の3月、他の部員とともに豊川高に転校したが「あの経験は、今の自分につながる」。関根の胸には、被災地の強さと優しさが今も刻まれている。

 オフの日でも自ら2、3時間走るほどの練習の虫。高橋監督は「適性はある。潜在能力から考えると、まだ7割くらい」とさらなる成長を予言する。「去年の安藤(友香)さんや大阪の松田(瑞生)さんのように、私より高いレベルで走っている選手がたくさんいる。まだまだこれで満足しちゃダメ」と関根。満開の日を目指し、また走りだす。

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