無免許運転・大砂嵐に引退勧告 聴取にウソ連発許されず…処分受け入れを表明

 日本相撲協会は9日、大阪市内で理事会を開き、無免許運転で追突事故を起こし、2月に道交法違反の罪で略式起訴されたエジプト出身で元幕内の幕下大砂嵐(26)=大嶽=に対し、引退勧告の処分を決めた。協会の聴取に虚偽の弁明を繰り返したことを踏まえ、協会規定では2番目に重い懲罰が下った。師匠の大嶽親方(元十両大竜)とともに理事会に呼ばれた大砂嵐は処分を受け入れ引退する。退職金は30%カットされる。

 無免許事故に加え、虚偽証言に情状酌量の余地はない。日本相撲協会危機管理委員会の鏡山部長(元関脇多賀竜)は「うそをつき続けていたのが許せないのはある」と、吐き捨てるように話した。

 大砂嵐は1月1日、同3日と長野県内で有効な運転免許証を持たずに乗用車を運転し、同3日に追突事故を起こした。力士は現役中、車やバイクの運転を禁じられている。

 当初は協会に「自分は運転していない。妻が運転していた」と説明。その後、長野県警の聴取に自身が運転していたことを認めた。協会は3回にわたり、聴取し弁明を聞いたが、すべて虚偽だった。

 「大砂嵐は弁明内容を二転三転させた。理事会は、うそをつき続けていたことを踏まえ大砂嵐の処分を引退勧告とした」。同部長は、協会規定で懲戒解雇に次ぐ2番目の重罰となった理由を説明した。

 理事会に師匠の大嶽親方とともに呼ばれた大砂嵐は「引退します」と勧告を受諾。親方は「正直、残念。本人に口うるさく言っていたけど響いていなかった。横綱になりたいと思って(相撲界に)入ってきたので落ち込んでいるのは確か…」と悔しがった。

 昨年11月に発覚した元横綱日馬富士の暴行事件から暴力事件、立行司のセクハラなど相次ぐ不祥事。処分が下され、またも角界に負の歴史がしるされた。

 エジプト出身でアフリカ大陸初の力士は、かち上げを武器に、西前頭筆頭まで出世。数年前の春場所は「春の砂嵐」と言われ土俵を大いに沸かせた。自らの愚行で、26歳が夢半ばで土俵から去ることになった。

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