稀勢の里が6場所連続休場 田子ノ浦親方「左胸完治していない」治療優先に

 取材に応じて稀勢の里の休場を伝える田子ノ浦親方
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 「大相撲春場所」(11日初日、エディオンアリーナ大阪)

 横綱稀勢の里(31)=田子ノ浦=が8日、春場所の休場を決めた。大阪市港区の部屋宿舎での朝稽古に姿を見せず、師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)が「まだ左胸が完治していない。治療を優先したい」と説明した。6場所連続休場となる。一方で右手の指を痛めていた横綱鶴竜(32)=井筒=は出場を決断。両足親指に不安がある横綱白鵬(32)=宮城野=は9日朝に出場可否を判断することになった。3横綱時代の3人全員が初日から休場する昭和以降初の事態は回避された。

 「ちゃんとした形で、土俵に上がりたい」。休場を決断した稀勢の里は、師匠の田子ノ浦親方にこう漏らした。新横綱場所での逆転優勝から1年。代償となった左大胸筋の重傷が、影を落とす。その後、左足首や腰も痛めて皆勤はゼロ。今年の初場所、左胸の古傷を悪化させた。

 次の出場場所に進退を懸ける覚悟を明かし、大阪入りしてから急ピッチで稽古を重ねた。しかし、場所まで1週間を切り、二所ノ関一門の連合稽古を横綱昇進後では初めて欠席。目指す「15日間を乗り切る体」には、ほど遠い状態だった。

 親方は「まだ左胸が完治していない。かばっているから、いろんなところに(悪影響が)くる。治療を優先したい」と説明した。場所前の調整によるけがの悪化は否定したが、治療や体づくりなど今後の方針は白紙。救いは周囲の「待ち」の姿勢だ。横綱審議委員会は初場所後、けがの治療期間や再起のタイミングを、本人に一任する方針を示した。6場所連続休場を経験した武蔵川親方(元横綱武蔵丸)も「治すことを自分からやらないと。焦らないで」と心構えを説く。

 年6場所制となった1958年以降、横綱の連続休場は貴乃花の7場所。6場所以上連続で休場した横綱は過去4人。そのうち3人が、休場明けで健在ぶりを示した。17年の春場所で、大阪のファンに大きな感動を与えた稀勢の里。もう一度、横綱相撲を見せるため、はい上がる。

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