貴乃花親方に批判の嵐 無許可TV出演に緊急年寄り会「ルール守って」

 日本相撲協会の役員理事を除く親方衆で構成する年寄会が16日、東京・両国国技館で緊急開催され、協会に許可を得ないままテレビ出演した貴乃花親方(45)=元横綱=に疑問や批判の声が相次いだ。会長の錦戸親方(55)=元関脇水戸泉=は意見をまとめ八角理事長(54)=元横綱北勝海=ら協会執行部に報告し、説明と今後の対応を求めた。この日は年寄総会と全親方、力士を対象とした暴力再発防止の研修が行われたが、貴乃花親方は欠席した。

 親方衆の不安や不満は、沸点に達していた。急きょ開催された役員以外が参加する年寄会。協会に無断でテレビ出演し、協会批判とも取れる発言を繰り返した貴乃花親方に疑問の声が次々に上がった。

 会長の錦戸親方は意見として「ルールを守って欲しい。(出演の)経過を知りたい」「(協会との雇用関係などを定めた)誓約書にみんながサインする。役員の方が自ら破る、ルールを守れないのはどうかと、疑惑を持ってる」「インタビューはおかしい」などが挙がったことを明かした。

 協会員は、テレビ出演の際に協会に届けを出す義務がある。7日、テレビ朝日系列の番組出演は無許可だった。

 さらに同番組では、元日馬富士の暴力事件の報告怠りに関し、同親方は協会には報告を行っていたと訴えた。その他にも協会の最終報告と食い違う主張が多くあり、理事解任にも「認められるものではない」と、言い切った。

 錦戸親方は、親方衆の意見を集約し八角理事長に報告。「協会と貴乃花親方(の言い分)が違う。はっきりとどうなっているか聞きたい」と説明を求めた。

 錦戸親方によれば、理事長は「理事会に(議題を)あげる」ことを検討しているといい、貴乃花親方に懲戒処分が下る可能性はある。無視できぬ“貴乃花問題”。春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)も「説明を必要としているのは確か」と述べた。“平成の大横綱”への包囲網が厳しさを増していく。

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