栃ノ心 初Vに王手!マイナスイメージの角界にせめてもの光を

 「大相撲初場所・13日目」(26日、両国国技館)

 平幕栃ノ心が逸ノ城を寄り切り、12勝目(1敗)を挙げ、単独トップを守った。1差で追走していた横綱鶴竜が関脇御嶽海に押し出され3敗に後退。後続と2差が付いたため、栃ノ心は14日目の27日、松鳳山戦に勝てば初優勝が決まる。平幕優勝は2012年夏場所の旭天鵬以来6年ぶり、14日目の平幕優勝となれば01年秋場所の琴光喜以来17年ぶりとなる。3敗の鶴竜、大関高安の2人までが優勝の可能性を残す。

 大歓声の中、栃ノ心は上気した真っ赤な顔で花道を引き揚げてきた。支度部屋では20分近い恒例の長風呂。「風呂が好きなんだよ」と、湯船で勝利をかみしめ興奮を冷ました。

 関取最重量215キロの“元祖怪物”逸ノ城とガップリ四つに組んだ。腰を落とし寄りをこらえると、相手の左上手を切った。勝機を逃さず怪力に力を込め、一気に寄り切った。

 「自分の相撲が取れた。まわしを切って前に出られた。(逸ノ城は)軽くないよ」と、笑みを浮かべた。6連勝で自身最多タイの12勝目。鶴竜が3敗となったため、14日目に勝てば初優勝が決まる。

 初めて味わう終盤でのトップ独走。「ドキドキしてくる。(優勝は)考えたくない」と緊張感は頂点。それでも「あと2日、頑張る。声援もいつもと違う。頑張らないと。改めて相撲は楽しい。勝ってると全然疲れない」と勢いに乗っている。

 母国ジョージアではサンボと柔道で活躍。相撲にあこがれ06年春場所で初土俵を踏んだ。来日する前は母・ヌヌさんは大反対。別れの際は母も自身も泣いた。

 あと1勝で最高の親孝行となる。前日のテレビ電話では「母は泣いていた」と言う。「悲しい涙じゃなく、うれし涙だからまだいい」ともう悲しませはしない。

 師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)が「努力家。暑くても寒くてもいつも汗をかいている。ここまでやるとは」と驚く快進撃。優勝なら春日野部屋勢としては1972年初場所の初代栃東以来46年ぶりで、祝い用のタイの手配、祝賀会準備などバタバタ。「初心者なので教えて」と親方もウキウキだ。6年ぶり平幕V、欧州出身3人目の賜杯はもう目の前だ。

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