稀勢の里が2017年ラスト稽古、弟弟子の大関高安と30番「いい勉強させてもらった」

 高安(手前)をがっちりと組み止める稀勢の里
2枚

 4場所連続で休場している大相撲の横綱稀勢の里(31)=田子ノ浦=が29日、都内の部屋で今年最後の稽古を行った。弟弟子の高安(27)を相手に連日の30番。右上手を取り一気に出る力強い相撲が光り、26勝4敗と圧倒した。

 取組後は高安の胸を借り、ぶつかり稽古を行い何度も土俵に転がされた。泥まみれになり、激動の2017年を締めた。

 「しんどいっすね。互いに相手がいないと成長しない。高安も力を出し切ってくれる」と、稽古後はすがすがしい表情を浮かべた。

 横綱昇進後は異例のぶつかり稽古。「遠慮なしでやってくれるので感謝。なかなかやってくれる人もいないから。また思い出してね」。かつて先代師匠の故鳴戸親方(元横綱隆の里)から指導され、一身に打ち込んだ猛稽古を心に描き、初心に帰った。

 絶頂とどん底を味わった1年だった。初場所で悲願の初優勝を飾り、19年ぶり日本出身の横綱に昇進。続く春場所で左上腕部などを負傷しながら奇跡の大逆転優勝を果たした。

 だが代償は大きく同患部の回復が長引き、復活できないまま。ケガが新たなケガを呼ぶ悪循環で先場所も腰部、左足首を痛め、途中休場した。

 「いい勉強、いい修行をさせていただきました。またいろいろ生かせたら。そういう気持ち。ケガがあって良かったと思えるように。来年につながる、優勝に生かせるように。何年かたってあの時、ケガして良かったと思える年にしたい」と再起への糧とすることを誓った。もちろん初場所(来年1月14日初日、両国国技館)出場に照準。「また優勝を目指して、初日に向けまたやるだけ。しっかり体を作っていく」と、気を引き締めた。

 来年の目標は「人間的にも成長。一皮むけた社会人となり頑張ります」と、角界を揺るがす暴力問題を意識したものになった。

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