羽生結弦 全日本「断念」 ケガ復帰間に合わず連覇へ試練…ぶっつけ五輪もある

 日本スケート連盟は18日、フィギュア男子の14年ソチ五輪金メダリストで、11月9日のNHK杯での公式練習中に右足関節外側靱帯(じんたい)を損傷した羽生結弦(23)=ANA=が平昌五輪代表最終選考会を兼ねた全日本選手権(21~24日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)を欠場すると発表した。治療とリハビリに専念してきたが、回復は間に合わなかった。羽生は世界ランク1位などの実績により代表入りは確実だが、連覇がかかる五輪へぶっつけで臨む可能性も出てきた。

 苦渋の決断だったはずだ。羽生は日本連盟を通じ「全日本に向け、治療とリハビリに取り組んだが、断念せざるを得なくなった。今後は一日も早く、ベストな状態で練習に専念できるよう頑張りたい」との談話を出した。インフルエンザを発症した昨年に続く欠場となった。

 羽生は11月9日のNHK杯の公式練習で4回転ルッツに挑んで転倒し、右足関節外側靱帯損傷と診断された。当初の見通しは、完全復帰まで4~5週間だったが、今月14日に「腱と骨にも炎症があるため、治るスピードが早くない。いつから練習を再開できるかは、まだ決まっていない」との談話を発表。拠点のカナダ・トロントで治療とリハビリに専念してきたが、回復具合は思わしくないようだ。

 3枠ある男子の平昌五輪代表に関して、選考基準には「けが等のやむを得ない理由で全日本選手権大会へ参加できなかった場合」の“救済条項”が明記されている。世界ランク1位などの実績がある羽生の代表入りは確実。しかし、問題は五輪本番だ。

 羽生の最後の実戦は10月20~22日に行われたGPシリーズ開幕戦のロシア杯。平昌五輪のSPは2月16日に、フリーは17日に行われ、実戦は約4カ月間隔があくため試合勘には不安が残る。

 選択肢としては、1月の四大陸選手権(24日開幕、台北)やローカル大会を探して出場すること、ソチ五輪と同様に団体戦(男子SPは9日、フリーは12日)に出場することなどが考えられるものの、調整期間はその分短くなる。過去には、02年のソルトレークシティー五輪前に壮行会を兼ねたエキシビションが開催されたこともあるが、実現性となると低そうだ。

 ソチ五輪で金メダルを獲得してから思い描いてきた平昌五輪。ぶっつけ本番か、ハードスケジュールを選択か…。男子66年ぶりとなる五輪連覇へはいばらの道が待っている。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス