全日本スキー連盟（ＳＡＪ）は４日、都内で理事会を開き、米国遠征中に大麻を使用したとして、昨年４月に競技者登録の無期限停止処分を下した当時未成年の男子スノーボード選手の処分解除を決定した。ただ、強化指定選手復帰の特例は設けない方針で、本人が希望していたという１８年平昌五輪出場の可能性は絶望的となった。

　同選手は国際大会で入賞するなどの実績を誇った元日本代表選手。処分後、スキー連盟はボランティアなどの更正プログラムを課していたが、離脱し、プロの大会に出場したことで処分継続が決まっていた。しかし、来年２月の平昌五輪出場を目指して登録復帰を希望し、１０月の理事会の場で謝罪。その後、更正プログラムに復帰し、ボランティアなどに励んでいたという。

　平昌五輪出場へは、競技者登録後、強化指定をされた上でＷ杯に出場し、８位以内に入るなど連盟の派遣基準をクリアする必要がある。連盟の皆川賢太郎競技本部長は「１０月に更正プログラムに復帰し、第三者委員会から更正したという評価も得た」と処分解除の説明した一方で、強化選手への復帰については「現段階で競技本部としてはシーズン途中に強化指定に入れる特例は作らない」とした。

　競技者登録が可能となり、同選手はＦＩＳの大会や、プロとしてＸゲームなどへの参加は認められるが、五輪選考の懸かるＷ杯に、日本代表としては出場できない。