白鵬、異常“越権”Vインタビュー「膿を出し切り、日馬富士と貴ノ岩を再び土俵に」

 観客とともに万歳三唱する白鵬
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 「大相撲九州場所・千秋楽」(26日、福岡国際センター)

 14日目に前人未到の40回目の優勝を決めた横綱白鵬(32)=宮城野=が千秋楽の優勝インタビューで暴行問題に触れ、「真実を話し膿(うみ)を出し切る」と話し、加害者の横綱日馬富士(33)=伊勢ケ浜、被害者の平幕貴ノ岩(27)=貴乃花=の土俵復帰も切望した。現在、鳥取県警や協会が真相究明を続けており、一力士として異例の問題発言。自らも暴行の起きた酒席に同席していた立場であり波紋を呼びそうだ。27日以降に鳥取県警、協会の危機管理委員会の聴取を受ける予定。

 大揺れとなった1年の締めの場所。白鵬の最後の優勝インタビューまでが異常だった。40回目の優勝を問われると、「その前に」と切り出した。

 「この場を借りて場所中に水を差すようなことになってしまって、全国の相撲ファンに力士代表としてお詫びがしたいと思います」と頭を下げた。

 10月25日、秋巡業中の酒席で日馬富士が貴ノ岩に暴力を加え、負傷させた。今場所3日目の14日に問題が発覚。それ以降、土俵外の騒動一色となった。

 まだ真相究明の途中。白鵬自身、27日以降は参考人として県警、協会の聴取を受ける。にもかかわらず、“越権”が止まらない。

 「この土俵の横で誓う。場所後にすべて真実を話し、膿(うみ)を出し切って、日馬富士関、貴ノ岩関を再びこの土俵に上げてあげたいと思います」。一力士として踏み込んだ発言に会場もどよめいた。

 問題の酒席には自らも同席していた。5日目に「(日馬富士の殴打)にビール瓶は使われていない、馬乗りにもなっていない」ことを証言。その後は騒動に沈黙を貫いてきた。

 初日から10連勝。11日目に関脇嘉風に敗れた際、土俵下で1分以上も右手を挙げて“物言い”をアピール。品位を欠く姿は大批判を浴びた。八角理事長(元横綱北勝海)はダメ出しをしながら、「修行の身。頭をぶつけて大きくなる。人間的に成長していく。勝負に執着するのはまだまだやれるということ」と諭した。

 その理事長がこの日、千秋楽恒例の協会あいさつで言葉を詰まらせ、ファンに暴行問題を謝罪した。「感激しました」と隣で聞いていた白鵬の心も動かされた。優勝インタビューで素直な気持ちを吐露しただけかもしれないが、波紋を呼ぶ問題発言となったのは否めない。

 今年の締めの一番は豪栄道を豪快に上手投げで下し有終の14勝目。インタビューの最後は「年6回の最後の場所。1年本当にありがとうございます」と言い、観客ととともに「バンザイ!バンザイ!バンザイ!」と異例の大合唱だった。

 酒席で最も近い席にいながら、なぜ“盟友”の暴走を止められなかったか-。今後、責任すら問われかねない立場にしては、違和感だけが残るパフォーマンスだった。

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