羽生 NHK杯涙の欠場 右足靱帯損傷…回復長引けば五輪ぶっつけも

 公式練習を終え、険しい表情で引き揚げる羽生結弦
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 「フィギュアスケート・NHK杯」(10日、大阪市中央体育館)

 フィギュアスケート男子ソチ五輪金メダリストの羽生結弦(22)=ANA=が10日、右足関節外側靱帯(じんたい)損傷のため、NHK杯を欠場すると日本スケート連盟が発表した。9日午後の公式練習中、4回転ルッツの着氷時に体勢を崩し、右足が不自然な角度に曲がる形で転倒していた。まずは代表選考会である全日本選手権(12月、東京)へ向けて回復を目指すが、欠場となれば、残り3カ月と迫る平昌五輪にぶっつけ本番で挑む可能性もある。

 奇跡の回復劇とはならなかった。9日の公式練習中に右足首を負傷し「右足関節外側靱帯損傷」との診断を受けた羽生は、NHK杯の欠場を決断。出場を目指し懸命の治療が続けられたが、羽生が大阪のリンクに再び立つことはなかった。

 無念の涙があふれた。病気療養中のオーサーコーチに代わって帯同しているブリアンコーチは「結弦は日本のファンの前で滑ることをすごく楽しみにしていたから、落ち込んで泣いていた」と明かした。羽生は日本スケート連盟を通じ「皆様ご心配をおかけしました」と謝罪。「NHK杯出場を目指し昨夜から先生方に懸命な治療を頂きましたが残念ながら医師の最終判断で欠場することになりました。今後、治療に専念し、全日本に向けて頑張ります。たくさんの応援ありがとうございます」とコメントを出した。

 NHK杯の欠場で、GPファイナル(12月、名古屋)出場の可能性は消滅。関係者が「最大の敵」と話していたケガに、前人未到のGPファイナル5連覇への道は阻まれた。全治は明らかになっていないが、平昌五輪に向けた調整に大きな狂いが生じたことは間違いない。

 オーサーコーチと連絡を取り合っているブリアンコーチは「全日本選手権に向けた回復計画を立てて、治っていけばいいんだけど」と、五輪最終選考会となる全日本選手権に向けて調整していく方針を示した。仮に欠場となっても過去の実績などから五輪代表選出は有力だが、回復が長引けば、ぶっつけ本番で平昌五輪に挑む可能性もある。

 ただ、ブリアンコーチは「僕は医者じゃないからハッキリしたことは分からないけど、重傷というわけじゃないと思う」と前向きだった。これまで多くのアクシデントや故障に見舞われながら、劇的なカムバックを果たしてきた羽生。もう一回り大きくなった姿を見せることはできるのか。

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