羽生結弦の右足関節外側靱帯損傷 松本クリニック松本浩彦院長の見解

 フィギュアスケート男子ソチ五輪金メダリストの羽生結弦(22)=ANA=が10日、右足関節外側靱帯(じんたい)損傷のため、NHK杯を欠場すると日本スケート連盟が発表した。兵庫県芦屋市の松本クリニック松本浩彦院長は、靱帯微細断裂なら1週間で普通の生活に戻れるが、部分、完全断裂なら手術しかないと見解を示した。

 ほとんどの方は一度くらい「足をくじいた」経験がおありでしょう。足関節外側靭帯損傷というのはまさにそれのことで、足首を内側にひねることで起こる、いわゆる「捻挫」です。足関節外側靭帯は3本の靭帯の総称ですが、前距腓靭帯がいちばん損傷しやすく、捻挫の8割以上はたいていこの靭帯の損傷です。

 「損傷」という言葉も曖昧な表現で、靭帯が「伸びた」状態(微細断裂)、部分断裂、そして完全断裂まで、まとめて「損傷」という言葉でひっくるめられます。微細断裂でしたら、包帯などでガッチリ固定して一週間も安静にしていれば普通の生活に戻ることができます。

 しかし、それはあくまで普通の人の話で、「世界の羽生」ともなれば普通の生活どころではありません。異次元のアスリートを一般人と一緒に考えてはいけません。

 さらに発表されていないだけで、実は部分断裂、完全断裂だったとなると、これはもう手術するしか道はありません。それでも3カ月後に始まる平昌オリンピックまでに間に合うかどうか、微妙なところです。

 幸いに微細断裂であったとしても、それまでの大会はすべて欠場してでも治療に専念し、2連覇をかけた平昌オリンピックを目指して欲しいというのが、ファンの気持ちではないでしょうか。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ) 兵庫県芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、(社)日本臍帯・胎盤研究会会長。

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