日馬富士 一人横綱大役プラスに…験のいい九州場所で10度目V狙う
「大相撲九州場所」(11月12日初日、福岡国際センター)
日本相撲協会は30日、九州場所の新番付を発表し、秋場所で9度目優勝を果たし、1年ぶり東正位の横綱に就いた日馬富士(33)=伊勢ケ浜=が福岡・太宰府市の宿舎で会見した。九州場所は験(げん)がよく、12年は新横綱として迎え、08年には大関昇進を決め、安馬から日馬富士へと改名。13、15年と2度優勝もしている。
横綱は丸5年の節目になる。「もう5年たつのか。本当に早いと言えば早い」とかみしめた。2場所連続優勝で初代若乃花、北の富士ら名横綱に並ぶ10度目の優勝へ意欲は十分。「自分の目標に向け頑張りたい。結果は後から付いてくる」と決意を込めた。
秋場所は千秋楽に大逆転し、1人横綱の責務を果たした。「いい経験をさせてもらった。先場所はそういう状況だった。(1人横綱は)別に嫌じゃない」とプラスになった。
左肘などに負傷を抱え、治療を続けながら秋巡業は初日からフル参戦した。「(巡業で)多くのファンに迎えていただいて、どこへ行っても声をかけていただき、逆に力をもらえた。恩返ししたい」と、闘志も徐々に高まっている。
秋場所を故障で全休した白鵬(宮城野)、稀勢の里(田子ノ浦)、鶴竜(井筒)は出場に支障はなく、2場所ぶり4横綱の勢ぞろいの見込み。「4人がそろうと、こっちも気合が入る。ファンも今場所は盛り上がる。僕も付いて行く。場所まで2週間あるし、体と心をしっかり作って15日間、務めたい」。満身創痍(そうい)の体にむち打ち、王者としてライバルらを迎え撃つ。