菊野克紀 現役プロ格闘家がテコンドーで東京五輪狙う「本気で出たい」

 現役プロ格闘家が異例の挑戦だ。元UFC戦士の菊野克紀(35)=チームKIKUNO=が11日、都内で会見を開き、テコンドーで2020年東京五輪出場を目指すことを表明した。男子80キロ級で、代表選考会を兼ねる来年1月の全日本選手権出場権獲得を目指し、まずは29日の東日本地区大会(千葉・袖ケ浦市臨海スポーツセンター)で初陣を飾る。

 総合格闘家として世界最高峰のUFCに参戦した実績を持つ菊野が、五輪に殴り込みを掛ける。「五輪は全国民を背負い、テレビを席巻し、パレードもある。憧れもジェラシーもあった」。中高時代は柔道少年で、古賀稔彦や吉田秀彦を見て育っただけに「雲の上で夢の世界だったが、35歳が目指していい道があると思うと楽しくて。本気でテコンドーで出たい」と力を込めた。

 沖縄空手にルーツを持つ菊野が、裸一貫でテコンドー挑戦を決めたのは6月。親交のあったシドニー五輪銅メダリストで全日本協会の岡本依子副会長に「テコンドーに出えへん?」と誘われたのがきっかけとなった。

 決め手となったのが今年行われたルール改正だ。押して圧力を掛けることが有効となり、攻撃的なスタイルが有利となった。細かいポイント競争では勝機は少ないものの、世界の強豪をなぎ倒してきた打撃でKOすればいい。「防具越しなら本気で殴って倒していいルールなので、沖縄空手で鍛えた突きの技術なら倒せる」。得意の三日月蹴り(つま先での中段蹴り)も、ポイントにはならないがKO狙いの秘策になる。

 7月から、週2日はテコンドー道場に通う。「ボコボコにされてます(笑)。スピードが速くて僕が1発蹴る間に3発食らう」。戸惑いを見せつつ、「突きと格闘技で鍛えた体格で圧を掛ければ蹴りが効く」と自信ものぞかせた。近年は異種格闘技「巌流島」でもエースとして活躍しており、今後も並行して参戦予定。史上最強の“外敵”がテコンドー界の台風の目になる。

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