羽生、右膝違和感で4回転ループ封印 「大事に至らないように」
「フィギュアスケート・オータムクラシック」(21日、カナダ・モントリオール)
開幕し、今季初戦を迎えた羽生結弦(22)=ANA=は公式練習に臨んだ。右膝に違和感を抱えているため、武器である4回転ループは今大会は封印の方針。フリーは後半に3本の4回転を集めたハードなプログラムを成功させ、連覇の懸かる平昌五輪シーズンの開幕で手応えをつかみたい。
最高の滑り出しではなくとも、価値あるものにする。今季初戦に臨む羽生は、蓄積疲労の影響で約10日前から右膝にわずかな痛みを抱えていることが判明。本人は「大事には至っていないけど、至らないように。右足踏みきりのものは抑え気味に」と説明した。
技の基礎点が自身最高である4回転ループは、右足に負荷が掛かるため今大会は回避の方針。平昌五輪シーズンの幕開けを前に「やりたい気持ちはすごくいろいろあるけれど、一つ一つ抑えながら」と努めて冷静に語った。
それでも“逃げ”の試合にはしない。足の負担も考慮しフリー前半は3回転に抑えて力を温存するが、後半はコンビネーションを含む4回転ジャンプを3本並べ、最後は羽生が得意とする2本のトリプルアクセル(3回転半)で締める構成で勝負する。「後半はこの構成がマックス」と羽生。最後まで滑りきれれば、大きな手応えをつかめるはずだ。
演技後半に自信を得られれば、五輪連覇を見据えたプランも広がる。その最大の要素がこれまでも練習してきた4回転ルッツだ。フリー冒頭は3回転ルッツを予定している上に「今季のプランに入っている」とブライアン・オーサーコーチ。4種類目の4回転を視野に入れている。
「この試合は五輪で最高の状態を迎えるためのプロセスだ」と同コーチ。羽生も「今できることを出し切る」と意気込んだ。自身を超えるプログラムの完成へ、無理はせず、着々と歩みを進める。